DX、AI、Web3.0、メタバースなど引き続きITに関する話題が社会経済上の大きな話題で続いている今日ですが、IT業界の1現場人の視点であらためて感じていることを整理して考えをまとめてみました。
この記事は人に読んでもらいたいというより、日ごろの中で感じていることについて新年初頭ということで頭の中を整理する目的で書いた記事です。そのため、文章としては稚拙で、結果として「思います」とか「考えます」とかそういう末尾ばかりになってしまいました。
もっとも、たまたま読んだ人にとって、せめて何か参考になるものがあればと思い、参考書籍のアフィリエイトを貼ったり、過去に書いた記事のリンクをつけてみました。
これらの中に何か気づきがあれば幸いです。
目次
- デジタルで完結させずにアナログによりコミットする必要が強まっている
- 非IT業界のITに対する理解の浸透が重要になる(特に情報セキュリティ)
- 技術者もただのSE・プログラマでは苦しくなってくる
- ビジネスに3方良しの視点がますます重要になる
- 個人ビジネスも法令をより気にする必要がでてくる
デジタルで完結させずにアナログによりコミットする必要が強まっている
AIの発展により、大量のデータの保存とそのデータに基づいてAIがアイデアをだすことができるようになりました。
一方で、今のIT活用というと、現実の事象を人間がIT機器に入力して、AIが出したアウトプットに基づいて人間が行動をするという状態にすぎない状態です。
データ管理、文書作成といった、アナログの作業をデジタルベースにおきかえるものについては比較的急激に発展しました。AIやメタバースなどもまだまだ発展の余地はあるものの、社会の発展という観点で見るとそろそろ単にデジタルに置き換えるだけでは限界が来始めていると思っています。結果としてますますITサービス単体の新規創出についてはますますレッドオーシャンになるのではないかと思っています。
少しずつIoTが進んだり、自動運転などの技術研究は進められていますが、人間の五感にあたるセンサーを使ったデータ収集、データ収集したデータを基づいて現実の作業機械にAIが命令をだして作業をするといった機械工学の領域についてはまだまだ課題が多いです。
2024年問題といわれる建築・運送業の労働基準に関する問題、日本の少子高齢化の強い影響を受けている医療・介護の領域の話題は典型的なこの傾向の表れと思っています。
デジタルだけで完結した発展はますます苦しくなってきて、情報工学以外の工学技術の進化がますます重要になると思っています。
非IT業界のIT技術に対する理解の浸透が重要になる(特に情報セキュリティ)
よりアナログに対するIT技術のコミットという点では、ますます非IT業界におけるIT技術に対する理解が必要となってくると考えています。
単にベンダー任せという状況では結局自身のかゆいところに届きづらく、生産性向上に至る道は遠のいていく状態のままと思います。
プログラミング教育が必修となったように、みずからプログラムを組んでAIなどを駆使して仕事を自動化したりすることを考えていく必要が発生していると思います。
プライバシー、サイバー犯罪の問題については、特にその傾向があると私は考えています。
サイバー犯罪は脆弱性というIT利用で生じているスキを突いたものがほとんどになります。プライバシーの問題はサービスの運営者、利用者双方の個人データ利用に関する理解の欠如が原因となることが多いのが現状です。
交通安全と同様な存在に、情報セキュリティはますます昇華されることが必要になってくると考えています。
技術者もただのSE・プログラマでは苦しくなってくる
IT業界外の人がプログラミング、セキュリティなどのIT知識をより身に着け、AIがデジタルの範囲ではプログラムコードやアプリケーションを自作できるようになってしまうと、ますますSEやプログラマといったただのIT技術者は苦しい立場になっていくと考えています。
2024年初頭のいまの段階では生成AIの活用事例が幸いにも少ないです。そのため先行して使いこなせるだけで市場的な価値は上がりますが、一時的なものと思います。
ゆくゆくは、データ処理を行う研究者を除くと、デジタルの範囲にとどまったIT技術者は特筆した市場価値を持つことが難しくなると思います。
技術の視点として見ていくならロボット開発などの機械工学領域、ビジネススキル視点でいくならクライアントに対するコンサルティング・ソリューション提案スキルなどプラスアルファのスキルを持たないと厳しいと思っています。
偉そうに書いておりますが、私自身もこの領域に所属する人間であるので危機感感じています。
IT技術者以外の方々にとってリスキリングの対象がとりあえずIT技術が有力候補としてあがるのに対して、すでに習得済みのIT技術者は逆に選択肢が多様にありすぎて困る点があります。皮肉な話ですがIT技術者こそリスキリングの対象を真剣に考えなければいけないと私は考えています。
ビジネスに3方良しの視点がますます重要になる
非IT領域がITと接近していくことによって、世間の目もますます厳しくなり始めています。
すでにプライバシーの問題でGoogleやAmazonに対する世間の目が厳しくなっていますが、従来は利用者が便利と感じてくれればそれでよかったITビジネスがその視点だけでは済まなくなっています。下手すると、利益は出てもおいおい社会問題となってそれ以上のダメージをうけるリスクが発生します。
日本の商人において語られている「三方良し」の視点がますます重要になってきたと思っております。
個人ビジネスも法令をより気にする必要がでてくる
「三方良し」の重要性は大きなPF事業者だけにとどまらず、個人開発・個人ビジネスにも影響し始めていると思います。
2023年は景表法改正に伴うステマ規制、電気通信事業法改正に伴う外部送信規律の施行と個人ビジネスであっても注意しなければいけない法令がいくつも施行されました。
これまでのように、最低限知的財産と情報漏洩だけに気をつければ良い時代は終わってしまったと思います。その点でますます個人によるITビジネスの参入も気軽にできるものではなくなったと感じています。
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。何か気づきがあれば幸いです。
Photo by Angela Compagnone on Unsplash