国内ETFについて検討してみる

投資 初心者向け投資記事

先日ETFに関して、以下2記事を書きました。

この記事を元に受けたフィードバックとして、「国内ETFはどうなのか?」という意見をいくつももらいました。この記事では、このフィードバックを受けて日本の国内ETFについて私の考えをまとめたいと思います。

目次

注意事項

あくまでアマチュア投資家の私の見解です。投資戦略の選択は自己責任のもとお願いいたします。

日本の国内ETFの難しい事情

ある程度調べたことがある方ならすぐ出てくる情報ですが、以下の記事のように国内ETFは比較的ネガティブな情報が多めです。

その一番の原因が市場規模が違いすぎることではないかと思います。

例えば、世界最大の規模を持つ米国ETF「SPDR S&P500 ETF(SPY)」の時価総額は371,138億円あります。その一方で国内ETFで最大のS&P500指数のETFである「上場インデックスファンド米国株式」の時価総額は314億円しかありません。1000倍以上の差をつけられています。

一応日本国の指数であるTOPIXでみると、「NEXT FUNDS TOPIX連動型上投信」であれば、157,213億円とダブルスコアで収まっていますが、同じ指数の商品をETFで取り揃えるなら、ほとんどのものが米国ETFの市場規模に勝てないという実態です。

市場規模が大きいほど信託報酬も下がるトレンドもあったり、不人気ETFだと上場廃止のリスクもあるため市場規模は大事な考慮要素です。市場規模に差がありすぎる状態だと、どうしても敬遠したくなる側面があります。

この他、インデックス投資+ドルコスト平均法を志す場合、ETF特有のデメリットである端数購入ができない点などがあり、国内商品で取り揃えるとしても一般の投資信託の方が便利であるという実態もあります。

市場規模や利便性などを考慮してよりよい選択肢を選ぼうとすると、必然的に国内ETFは選択肢として後回しになってしまうのが現状です。

代表的なETFの紹介と分析

ここまで全体的な話をしてきました。続いて代表的な国内ETFをご紹介しつつ、それぞれの特徴について分析していきます。

なお、個々のETFの時価総額などは各証券会社のページの他に、以下のページでも詳しく書かれているので、これ以外に気になるETFがあれば是非ご確認ください。

NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)

日本最大の国内ETFの一つです。東証一部の時価総額平均で算出したTOPIX指数と連動するします。前述の通り日本のETFという点を考慮しても、SPYに2倍差で位置付けているという点はある種の強みでもあります。

当然ながら日本株のインデックス投資をETFで志す場合、国内ETFが第一候補になります。そんなETFでの日本株インデックス投資となると、まず第一候補にあがるETFであるといえます。

NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)

日経平均株価と連動するETFです。こちらも1306と同規模クラスのETFです。日経平均はTOPIXと違って市場価格の平均であるため、ファーストリテイリングのような株価の高い銘柄の上下に左右されやすい特徴があります。もっとも、日経平均については近年はTOPIXよりも上昇幅が大きい指数でありますので、日経平均の方が好きな方にとってはおすすめのETFです。

SPDR S&P 500 ETF Trust(1557)

実は、SPYこと「SPDR S&P 500 ETF Trust」は1557という番号で日本国内のETF市場にも上場しています。

もっとも、せっかく日本にも上場しているのにもかかわらず、米国市場のSPYのETFを購入する人が多いのが実態です。詳細は米国株投資ブロガーのたぱぞうさんが以下のページで解説しているのでご確認ください。

特殊な立位置のためか、SBIネオモバイル証券など、一部の国内限定のネット証券では取り扱っていないということもデメリットです。

MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(2559)

日本の国内ETFとしては唯一、全世界の株式市場指数と連動しているETFです。最近できたばかりのETFのため、時価総額は低めですが、国内ETFの中では人気高い部類のETFです。

米国ETFで全世界の株式市場指数と連動しているETFの代表はVTですが、VTが「FTSE®オール・ワールド・インデックス」という指数に連動しているのに対して、本ETFは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」という別の世界指数と連動しています。VTの指数よりも中小規模株式の割合が低いという性質を持っていますが、大きな差は特にないというのが実態です。

規模・手数料・利便性などを考えると、どうしても米国ETFのVTや一般の投資信託の方がメリットが大きく、選択肢としてははずれてしまいますが、どうしても国内ETFで世界指数を購入したいという志向の方は候補に考えてもいいかもしれません。

J-REIT ETF

日本のREIT指数に連動するETFです。日経・TOPIXと並んで、米国ETFではなく、まず国内ETFを候補に検討したい指数の一つです。

ちなみに、REITというと配当が魅力の一つですが、配当はほとんどが3ヶ月に1度で、一応2ヶ月単位の短いスパンのETFはあるものの、やや規模や手数料に不安がある状況です。

そのため、リベラルアーツ大学の以下のブログによると毎月配当を求めるなら配当分配月が異なる以下のETFを均等に購入することをおすすめしています。以下の3つは時価総額もそれなりにあり安心して購入できる銘柄です。

  • One ETF 東証REIT指数(2556)
  • NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)
  • ダイワ上場投信-東証REIT指数(1488)

純金上場信託(現物国内保管型)(1540)

日本株・J-REIT以外で国内ETFを検討するものとして金があります。金については、米国市場と日本市場では価格変動に若干の違いがあるため、リスクヘッジになります。先日発売された高橋ダンさんの以下の本でもドルと円で買う金を分けて購入することを推奨しております。

「純金上場信託(現物国内保管型)(1540)」は日本の金ETFのなかでも最も規模が大きいETFです。また、積立投資志向の方にとっては、あまり関係がない特徴ですが、一定量保有していれば、本物の金と交換できるというちょっと変わった性質もあります。

終わりに

以上が日本の国内ETFに関しての私の見解と代表的な商品ご紹介と分析の記事でした。ご自身の投資に関して参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by M. B. M. on Unsplash

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