ビットコインの勢いが止まりません。価格バブルももちろんですが、先物のETFも登場したり、エルサルバドルの法定通貨にもなりました。
これまでは国といった特定機関の管理がない通貨という側面ばかり注目されましたが、ブロックチェーン基盤の仕組みから金などのような価値の減りにくいコモでティという性質も注目されています。
その結果、FXのようなトレード志向だけでなく、金投資のような積立投資としても期待されています。
この記事ではそんなビットコインについて、過去のデータをもとに積立投資の可能性を検証をしてみようと思います。
目次
今回検証比較するもの
代表的な通貨として米国のドル、ロシアのルーブル、そして金ETFである純金上場信託(現物国内保管)(1540)の3つについて、2015年6月からの5年分を比較してみます。
それぞれの価格の変化は以下です。なお、基準価格は全て円ベースです。
あまりにもそれぞれの価格帯に違いがあるため、対数グラフで表しています。
対数グラフで表したのにも関わらず、ビットコインの変化が顕著であることが見て取れます。
変化率を見てみる
まず、検証基準月である2015年6月の100%基準で見てみます。
以下がグラフです。
変化率でもビットコインの変化率が凄まじく、対数グラフになってしまいました。
比較対象の伝統金融資産についても見てみると、金はすこしずつ上昇傾向、ルーブルは低下気味、ドルは横ばいと特徴はみれます。
しかしながら、これら伝統的な投資対象とは異次元の割合でビットコインが上昇していることが見てとれます。
毎月1万円ずつ積み立ててみる
それでは毎月1万円ずつ積立投資した時の変化を見てみます。
これまでの検証からビットコインが最大の利益を出すことは自明かと思うので、まずはビットコイン以外のグラフを見てみましょう。
コモディティの代表であり、着実に上昇する金の上昇がたった5年のこのグラフからも見てとれます。
一方でドルはほぼ元本と横ばい、ルーブルに至っては元本割れがだんだんと大きくなっています。
金はともかく、通貨であるドルやルーブルはやはり、積立投資には相性が悪そうです。
それでは、ビットコインを見てみましょう。まずは対数グラフではない状態で見てみます。
元本が豆粒のような状態になっています。
対数グラフでみてみましょう。
短期間で10倍・100倍となっていくところが見て取れます。
元本は77ヶ月で77万でした。それがたった5年で3361万という約50倍の資産になりました。
注目は第1次ビットコインバブル崩壊時の2018年台でしょうか。暗黒時代とされるこの時期さえも元本38万円に387万円で10倍の資産をキープしています。
低迷期にもプラス、しかも10倍以上の利益というのは正直のところ驚きです。
考察
ビットコインの上昇率は、通貨という側面でも、金といったボラティリティという側面でも異常です。今回スコープにいれませんでしたが、積立投資の王道、米国株と比較しても異常ではないでしょうか。
結果として、通貨という性質を持ちながら、積立投資の可能性も持っていると思われます。
第一次バブルを乗り切っても10倍近いパフォーマンスを出したのは事実である以上、第二次バブル崩壊を考慮しても、今後、正当な金融資産としての地位確立を期待して、地道な積立投資もチャレンジしてみる価値はある可能性はあるかもしれません。
一方でレバレッジをかけていないにも関わらず非常に高いボラティリティを示しているので、ビットコイン一本の積み立ては非常に危険かもしれません。
第二次バブルが続く2020-2021でさえも、総資産額が1000万円前後する谷間を作ることがありました。恐ろしい変化です。
また、法定通貨に採用する国がいる一方、ウォーレンバフェットのように引き続きビットコイン懐疑派も存在し、中国のようにビットコインの規制を検討する国も存在します。
その点を考慮しても、ビットコインという仮想通貨の金融資産としての扱いが否定され、存在が消えるリスクも拭えません。
月たった1万円の積み立てでも、5年で約50倍のパフォーマンスを出したことを考慮して、超少規模のポートフォリオを維持するのが妥当かもしれません。
終わりに
仮想通貨投資の検討に際して参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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