大量の情報と付き合っていくのに役立ちそうな本と考え

ビジネス 読書

30代である私に取っては、生まれた頃からテレビがあり、10代のときにはインターネットに自然と触れ、SNSこそなかったもののニュースや個人サイト・公的サイトで自由に情報収集ができる時代でした。

しかしながら、最近ではむしろ多過ぎと意識することも多くなり、周囲ではフェイクニュースなど偽情報問題も騒がれました。

もともと、中学・高校のリテラシー教育の時点で、インターネットに限らず、本や新聞の情報さえも比較して分析せよと学校の先生から教わってきたのに社会問題化しているのも皮肉とも思います。

この記事では私がこれまで読んだ本の中でこの情報社会で生きていくのに役立ちそうな本や戦略などをご紹介できればと思います。

目次

情報は知識に知識は知恵に変えていく

上の言葉は、将棋棋士羽生善治さんの言葉です。「決断力」という本に書かれています。

いくら大量に情報があったとしても、それを知識として役にたつものに進化させないといけない。局面局面で役にたつ知識だけがいくらあってもいけない、それを汎用的な場で活用できる知恵に昇華させないといけないと言う戒めの言葉です。

羽生さんはこの本の中でこの他、「直感の8割は正しい」ということも伝えています。これは、正しい情報と知識を得て正しい感覚を身につけたことによって、知恵となり、直感として正しい判断ができるようになるという言葉です。

この本は2000年代に書かれた本ですが、その後、将棋にとって2010年代になって大きな変革がおとずれました。ついにAIにプロが勝てなくなり、そのAIにプロが将棋の戦術を助けてもらう時代になったのです。

もっとも、このAIの発展も実は羽生さんの言葉の知恵をベースに発展したものです。

AIでさえも、天文学的なパターンのある将棋の手順を全てゼロから解析することはできません。機械学習において、プロ棋士が指した最善手の塊のような記譜という学習データを通じて機会が学んだことがあっての発展です。

感覚と知恵について、この本では別々の場で表現していますが、知恵にしろ感覚にしろ、正しい良質な情報をベースに身につけていくべきものであると言うことを改めて考えさせられます。

幅広い経験を武器としていく

将棋のような狭い範囲のルールであれば機械はものすごく強いですが、まだ社会全体といった要素やルールが無限にあり、変化の激しい世界を学習して解析することは難しいとされています。

そのため、さまざまな分野で多元的・幅広い経験・知識を身につけて、活躍していくという戦略が今後人間社会において鍵ではないかと言う研究もされています。

その研究所の代表と言えるのが以下の「RANGE」という本です。

「VUCA」と言われるようにそもそも、現代は情報だけでなく情勢の変化さえも読めません。執筆時点でロシアとウクライナの戦争が問題になっていますが、どんな専門家さえもこれを予想することはできなかったと言われています。

こうした社会だからこそ、多様なジャンルの経験を身につけ、そこで得た情報や知識を、知恵として昇華して、別のジャンル、未知の出来事でも生かしていくスキルが重要なのではないかと思っています。

古典から学ぶ

多様な経験以外から知恵を得る手段として、古典から学ぶことも大事な手段と思っています。

ユダヤ・仏教の本はもちろん、リベラルアーツの研究をされている方が強く提唱されています。

ユダヤ教のタルムード、アリストテレス、プラトンのギリシア哲学、孔子の儒学、仏教、デカルト、フランシスベーコン、カント、ニーチェといった中世〜近代哲学の古典は、現代でも長く読み続けられています。

この背景には、現代でも通じる本質的知恵や教養があるからではないかと私は思っています。

古典の教養を改めて学ぶことも現代を生きる戦略として重要であると私は感じています。

情報処理に本腰で踏み込む~インテリジェンス・OSINT~

努めている仕事柄、どうしても最新の情報を追い続けないといけない。膨大な情報と戦っていかないといけない方もいると思います。

そんな立場の方にとっては、従来からある諜報活動・インテリジェンスの世界の職業のスキルを身につける必要があると思っています。

最近ではOSINT(オープンソースインテリジェンス)と呼ばれる自由に取得できる情報をいかに活用するかが注目されています。

このあたりは、個人スキルだけでなく、機械的な情報処理技術の発展と並行しての戦いとなります。手段や戦略に関する競争も激しい世界と思います。

マスコミ・政府系のお仕事をされているかたはすでに学ばれている領域と思いますが、立場上、それに準ずるミッションが与えられている方も覚悟を持って踏み込むべきせかいかもしれません。

情報ダイエットという戦略

最後に、逆に最低限の情報にとどめて、不要な情報を排除してしまうという戦略です。

「NewsDiet」という本で提唱されているのが一番有名かもしれません。

正直のところ重要な情報というのは無理に取りにいかなくても自然とはいるものかもしれません。実は昔から、投資などの世界で情報収集を無理にしないで必要な情報だけ集めて勝つ長期投資家がいたりして決して新しく現れた戦略ではないのかもしれません。

この戦略の良いところはストレスなども軽減して自然と幸福度があがるといわれています。かつては人間の本能上情報を集める欲求が強かったですがもはや情報が多過ぎて追い込まれているのは人間の方かもしれないという示唆かもしれません。

先ほど紹介したインテリジェンスとは真逆の世界ですが、もしもご自身の業務が情報収集をある程度放棄することを許してもらえるのであれば、この戦略はご自身の幸福度観点にも有効かもしれません。

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。

あくまで私の読書体験をもとにならべた戦略や本ですが何か気づきがあれば幸いです。

Photo by Angela Compagnone on Unsplash

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