社会人1年目でも始めたい!資産形成のための投資とその準備

投資 初心者向け投資記事

この記事について

私が投資を本格的に始めたのは社会人4-5年目くらいからでした。今から振り返ると、1年目、2年目からもできる準備はしておくべきだったと思っています。この記事では資産形成を意識した投資について、新卒1年目からでも実践したい、あるいは実践しなくても将来始めるための準備として意識したいことをまとめました。

目次

なぜ社会人1年目から始めたかったか

複利の力は長期になれば長期になるほど高くなる

もしも1万円を誰かに貸し与えて、年率3%の利息を受け取ることとします。さらに、受け取った利息も年率3%でさらに貸し与えて、運用し続けると想定しましょう。この運用を100年続けたときの資産成長グラフが以下となります。

クリックすると拡大できます

グラフが示す通り100年で18倍の18万円になります。20年でも倍の2万円になっています。これが複利の力です。複利の力はとても強力で、かつてアインシュタインは「人類最大の発明」と主張しました。またイスラム教の銀行ではその力を悪とみて利息をとることを禁止してさえいます。

この強力な複利の力ですが、注目すべき点は年を重ねるごとに増加量が増えているという点です。最初は1年で300円しか上がらなかった資産額が、100年目には1年で5000円増えるようになっています。長期になれば長期になるほど強力になるので、この複利の力を少しでも強くするためにはできるかぎり資産運用を早く始める必要があります。

世界経済は長期的には右肩上がりで成長している

下の図はアメリカの主要500社の株価指数であるS&P500の50年間のグラフです。

クリックすると拡大できます

こちらが示すようにITバブル崩壊・リーマンショックなど世界的な金融危機があっても長期的には株価指数は乗り越えて成長を続けています。世界の経済成長の長期的な恩恵は相場タイミングを見計らう必要はありません。リーマンショック直前の2007年に投資を始めても、最初の数年は激しい元本割れを起こしますが10年後には倍以上になっています。それゆえに、世界経済成長の恩恵を受けたければできるだけ早く投資をはじめるべきという論理になります。

市場の動きの感覚は理論より経験

ここまで、長期的な話をしてきましたが、短中期の資産運用の場合、市場の流れの感覚を身に着ける必要があります。今日様々な理論とその理論を記した書籍がありますが、短期的な市場の動きは誰にも読むことはできません。せめて感覚を身に着けたいということになりますが、感覚をつかむことは知識を蓄えるだけではできません。感覚をつかむためにはできる限り早く投資を経験して、失敗と成功を繰り返して培う必要があります。

社会人1年目が投資をする上での課題

ここまで早期で投資を始めたほうがいい理由を述べてきました。とはいえ社会人1年目が投資に手を出すには課題があると思います。社会人1年目がどのように投資を始めるべきか、私の考えを示す前に、社会人1年目が持つ課題をいくつかおさらいしてみようと思います。

ある程度まとまったお金を持っていない

家族の資産の利用という例外を除くと、社会人1年目であれでば誰でも持っている課題であるとともに、投資を始めるうえでは最も大きな課題であるかと思います。

投資は小額を回すよりも、大金で回した方が得られる利益は大きくなります。1億円を運用しているものの効率的ではなく年率1%しか運用できないケースと、100万円を効率的に年率10%で運用するケースを考えてみましょう。前者はへたくそな投資ですが毎年100万円えられるのに対し、後者は上手な投資であるにも関わらず10万円しか得られません。

そもそも何に手をだしていいのかわからない

学生時代に経済学部で投資の研究を専攻していたり、投資サークルに所属していたような人を除くと、どういう投資に手をだせばいいのかわからない方がほとんどではないかと思います。

投資には、株式投資、債券といったオーソドックスなものから、バイナリオプション、先物、オプションといった特殊なものまであります。そして、前者の方が初心者向けで投資対象のメインとなるはずなのに、手数料が高いという側面から後者の方が証券会社の広告や宣伝をたくさん受けるという側面があります。

本業業務に頑張ることで精いっぱい

おそらく、社会人1年目、2年目は今の仕事を学ぶことで手一杯で、本格的な投資術の勉強に手をだすのは難しいかもしれません。現実に入社当初の私がそうでした。仮に投資を始めるとしても、なるべく学習コスト・準備コストの低い戦略をとっていく必要があります。

社会人1年目で着手したい投資手法と学びたいもの

前置きが長くなってしまいましたが、ここからは実際に社会人1年目が実践したい投資手法と、将来の高額資産運用に備えて学びたい投資スキルを述べたいと思います。

小額から投資可能な投資信託でインデックス投資の積み立てを始める

まずは小額から始めやすい投資信託で毎月500円-3万円程度をちょっとずつ投資信託商品を購入して資産運用をしたいです。今日、投資信託は100円から購入することができるのでもっともハードルが低いかと思います。

戦略としては、S&P500、TOPIXなどの指数に連動する商品を購入して投資するインデックス投資が良いと思います。インデックス投資は先ほど説明した株価の市場全体の指数に連動する投資信託商品だけを定期的に購入する戦略です。最も学習コストが低い戦略であるとともに、他の戦略をとる投資家の7割に勝つという安定感を持つ戦略です。

インデックス投資については、以下の記事にも詳細を書いています。もし興味がありましたら以下の記事も読んでみてください。

なお、投資信託は銀行でも取り扱っていますが、商品選択の範囲、売買手数料、利便性などを考えるとSBI証券、楽天証券などのネット証券の利用一択になるかと思います。私自身もネット証券以外で運用はしておりません。

元本割れを起こす経験に慣れて自身のリスク許容度を確認する

リーマンショックなどの金融危機を考えないとしても、株価は常に変動しており、最初のころは頻繁に元本割れを経験すると思います。これは避けられないことである一方、慣れていないと投資を続けることに挫折する大きな要因になります。若いうちに小額で投資を行い、被害リスクが低いうちに元本割れなどの痛手を経験をしていくことで、将来大きな額を運用することになっても、平穏な心で運用をすることができるようになります。

貯める力の向上と生活防衛資金を確保する感覚を覚える

小額でも投資をしていくと、だんだんと投資に回す金額を増やしたいという願望に駆られるようになります。それゆえに必然的に節約志向になり、自分にとって本当に必要なものだけを購入するような考え方・生活スタイルに変わります。一方で、すべての額を投資に回すのが危険なことであり、何かあったときのための生活防衛資金を持っておこうという感覚も身についていきます。こうした生活上の金銭面のバランス感覚を早いうちに身に着けていくということは、長い人生にとってとても大事になるかと思います。

個別株式投資を始めるならミニ株制度で

正直のところ学習コストや費用面を考えて、最初に手をだす投資は、インデックス投資を主軸とした投資信託購入だけに絞るのが安全と思っています。しかしながら、どうしても個別企業の株式購入を検討したいという方はミニ株制度をおすすめします。日本の株式は、原則100株で購入する仕組みとなっております。それ故に例えば1500円で推移していたとしても、15万円は必要です。ミニ株は単元未満株でも購入ができる仕組みです。

個別株を買う場合、詳細な企業分析が必要であるため学習コストが高いです。同時に株式によっては1株でも数万するものがあるため、結局ある程度まとまったお金が必要な側面があります。それ故に私個人は初めての投資としてはおすすめしません。どうしても個別株投資に挑戦したいという方だけがチャレンジする選択肢として考えたほうが良いかと思います。

ミニ株制度を利用する場合、通常の株式売買よりも手数料が高いという欠点があります。もっとも後述するSBIネオモバイル証券を活用することでこの欠点はカバーすることができます。

活用したい投資制度など

続いて社会人1年目、2年目から活用したい投資制度などをご紹介したいと思います。

ポイント投資で投資体験

最近では、楽天ポイント、ドコモDポイント、PayPayなどの各種サービスのポイントで投資体験ができるサービスが増えています。これらは、投資体験という謳い文句通り、ポイントという非常に小額な範囲でしか運用できず、投資商品の選択や制度についても制限が多いというデメリットがあります。そのため、将来的にメインで利用していく資産運用先に利用することはできません。しかし、元本の揺れ動きなどを身をもって体験できるので、初めての投資体験という文脈では有効かもしれません。

確定拠出年金(401K)の活用

勤め先企業などで確定拠出年金(401k)を導入していれば、確定拠出年金(401k)の活用は初めての資産運用としてとても有効です。商品選択に幅がなかったり、定年後などでないと取り出せないなどありますが、年金制度だけあり、将来の資産形成にそのまま直結できる投資制度であります。

確定拠出年金については以下に私自身のまとめ記事を書いています。よろしければご確認ください。

積み立てNISAで税金対策

将来的に資産が成長したときに問題となるのが売却時の譲渡利益税です。これについて積み立てNISAという制度で対策ができます。積み立てNISAは年間40万円までは、20年間の運用中の配当益、売却益の税金が免除される制度です。社会人1年目・2年目だと年間40万も利用することが難しいかもしれませんが、積み立てNISAはできるだけ早いうちに利用登録したい制度であります。

SBIネオモバイル証券でミニ株投資の手数料節約

ミニ株を始めるなら、SBIネオモバイル証券をおすすめします。

特徴としては、月間取引50万円までなら実質手数料無料で取引ができます。前述のように、ミニ株購入は通常の株式売買より余分な手数料がかかってしまうという欠点があります。しかし、SBIネオモバイルは証券単元未満株でも手数料無料適用されるので、小額から始めたい人にはとても相性が良い証券口座です。

他の証券口座と違って、毎月サービス利用料がかかりますが、月間取引50万円以内なら220円で済む上に、Tポイント200ptが毎月もらえるので、実質毎月20円で済みます。

さらなる学習として

最後に次のステップとしてぜひ読んでいただきたい書籍・記事をご紹介します。

本当の自由を手に入れるお金の大学

YouTubeチャンネル両学長 リベラルアーツ大学でお金に関する講義動画を投稿している両さんの本です。投資に限らず、ファイナンシャルプランニング全般を広く取り扱っています。投資に限らず、将来の資産戦略を学びたいという方はこちらを手にとってみることがおすすめです。投資もインデックス投資だけでなく、高配当投資、不動産投資を取り扱っており、入門書として最適かと思います。

なお、今回私があげたようなテーマの動画も数多く公開しており、興味があれば動画も見てみることをおすすめします。

お金は寝かせて増やしなさい

インデックス投資を長く続けられているブロガーの水瀬ケンイチさんの本です。インデックス投資の専門書です。この1冊で口座の作り方、金融商品の選び方、投資を実践する上での各種考え方=投資哲学を学べます。

そのほか

そのほか、ここまでも数記事私のブログでの執筆記事をあげましたが、ここまで紹介しなかった記事の中で、さらなる学習としてお役にたちそうな私のブログ記事を紹介します。もしも興味のある記事がありましたら、読んでいただけますと幸いです。

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。社会人1年目、2年目の方が実際にこの記事を見て、資産運用に興味を持っていただければ幸いです。

Photo by Roberto Junior on Unsplash

 みやうデジタルラボ - にほんブログ村