気になったIT記事まとめ(20240506)〜ドイツのLibreOffice利用、個人情報とSaaSほか〜

IT技術 ビジネス 教養としてのテクノロジー入門 IT記事まとめ

IT産業に従事していない人向けに集めているIT記事をまとめました。2024/05/06分です。

ややセキュリティネタ多めです。

記事のピックアップ基準

以下の基準で選定しています。

  • IT企業に従事していないけど、ITに関心を持ち勉強を始めたり、これから始めようとしている人向けの記事が中心です。教養やリテラシー、テクニックとして知っておくとよさそうなものをピックアップの上、適時解説を加えています。
  • SNSで話題になったものや、ネットサーフィンで見つけた記事を選んでいます。大手メディア・海外サイト・個人ブログ、ジャンルは問わずピックアップしています。
  • 記事を発見したタイミングベースです。そのため、記事そのものの公開日は最近ではないものも含まれます。

目次

ドイツの州、3万台の自治体PCを「Linux」「LibreOffice」に移行すると発表

ドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州のPCにおいて、GDPRの観点から3万台のPCをLinuxとLibreOfficeにしたという記事です。
LinuxやLibreOfficeを知らない方向けに解説しますと、MacOSでもWindowsでもないオープンソースのOSで動くPCを使い、Office製品もWordやPowerPoint、Keynoteも使わずにオープンソースのLibreOfficeを使うというものです。

今回の目的はGDPR、つまりプライバシー・セキュリティの観点ということですが、オープンソースの活用により、予算削減の効果もありそうです。
昨今のLinuxやオープンソースのオフィス製品もWindowsやExcelと遜色がない使い心地を経験できます。
初期導入において、ある程度サポートすることができる人がいれば、ほとんど支障はなさそうです。

一方で、今回の取り組みで当該自治体のITインフラ環境は安全になったという点については注意が必要です。
先週紹介した記事のようにオープンソースは有志の自由なコミュニティによって開発が進められているため、悪意のある参加者が悪意のあるコードを入れようとしたり、セキュリティ面は別の懸念が発生したりします。

WindowsやAppleといった有名企業がだしているソフトウェアだから絶対的に安全というわけではないのも事実ですが、この辺りの利点、欠点のバランスを考えてITソリューションは選ぶ必要があります。

社労夢で個情委が注意喚起 SaaS利用企業が「違法」の恐れ

社労夢というSaaSの個人情報漏洩事故を受けて、個人情報保護委員会が出した以下の注意喚起に関する解説記事です。
個人情報保護委員会がだした当該注意喚起そのものは運営者・利用者共通の注意喚起ですが、今回紹介した日経クロステックの記事では利用者も個人情報保護法違反になる可能性があるという解説をしています。

最初に紹介しましたドイツ自治体の記事でもふれましたが、ITソリューションの選定は、利点欠点を分析して、責任をもって判断しないと、利用者側にも選定責任として事故発生時に責任が及ぶリスクがあります。
取り扱う情報や規模次第では、ある種企業買収などで行うデューデリジェンスクラスの配慮が必要になる場面も発生すると私個人は考えております。

徳丸先生は、一般的な開発者には最低限どのレベルのセキュリティ知識を求められていますか?

セキュリティの有識者である徳丸先生のX上でのQAです。
エンジニアとして覚えるべきセキュリティ知識というエンジニア向けのQAですが、脆弱性診断において、SQLインジェクションという初歩的な脆弱性が今でも発生し続けている言及を元に、「プログラマーの対応としては一種の「退化」が起こっているような気がしています。」という徳丸先生の見解があることです。

徳丸先生の投稿上ではこの見解の詳細な原因は述べていませんが、私個人としてはプログラマのハードルが低くなり、エンジニアではない方もプログラムを書くようになったりしたことも起因していると思っています。

それ故に、プログラミングを学習する際には、ある程度セキュリティというリテラシーも併せて啓発をしていく必要があると考えています。

Python、全ビジネスマンの必須スキルに?ワークマン社員は業務活用

ワークマンにおいて、2021年頃からPython研修が推進されているという記事です。

前の記事ではプログラミングの普及について、暗い側面を紹介しましたが、今回のワークマンの記事は、逆に世の流れとして、プログラミングがビジネスにおける標準スキル化が始まっている兆候の一つと考えています。

エンジニア職ではない人は、プログラミングスキルをどこまで学習し、どのように利活用していくか、逆にエンジニア職の人はプログラミングスキルが標準スキル化する中で、どのように職業のプロとしての強みを持っていくのか、真剣に向き合う必要があると考えています。

ChatGPT Plusの全ユーザーにMemory機能が提供開始。以前の会話を回答に反映

ChatGPTにおいて会話の学習機能「Memory」機能が全ユーザー向けにリリースされたという紹介記事です。

ChatGPTにおいて、もとよりプロンプトの中でちょっとしたデータを学習させて活用することは可能でありましたが、この機能ではプロンプトに限定せずできるようになります。

ChatGPTの登場で、膨大なデータと学習用のマシンを持っている人だけが機械学習で独自のAIを作れるという世界でしたが、この常識も変わってきたと私は考えており、ある程度簡単な考え方や例を出せばAIが自分で考えて答えをだしてくれるようになりました。

学習機能の利活用によっても今後のビジネス生産性なども大きく変わっていくと考えており餡巣。

終わりに

IT界隈の人にとってはあたりまえの解説もありますが、1つでも何か気づきがあれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by Javier Garcia Chavez on Unsplash

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