気になったIT記事まとめ(20240610)〜Adobe利用規約、グリコ、アジャイル開発の現実〜

IT技術 ビジネス 教養としてのテクノロジー入門 IT記事まとめ

IT産業に従事していない人向けに集めているIT記事をまとめました。2024/06/10分です。

大きなニュースはなかったですがAdobeの規約騒動、グリコの出荷停止問題など、IT関連のビジネス人にとっては考えさせられるネタが多かった印象です。

記事のピックアップ基準

以下の基準で選定しています。

  • IT企業に従事していないけど、ITに関心を持ち勉強を始めたり、これから始めようとしている人向けの記事が中心です。教養やリテラシー、テクニックとして知っておくとよさそうなものをピックアップの上、適時解説を加えています。
  • SNSで話題になったものや、ネットサーフィンで見つけた記事を選んでいます。大手メディア・海外サイト・個人ブログ、ジャンルは問わずピックアップしています。
  • 記事を発見したタイミングベースです。そのため、記事そのものの公開日は最近ではないものも含まれます。

目次

相模原市役所で「ロボット職員」導入へ “全国の自治体で初”

ファミレスなどで接客・料理運搬などで利用されはじめているロボット職員を、相模原市が自治体として始めて導入したという記事です。

先週もりんご収穫ロボットの記事を紹介しましたが、リアルの世界へのロボット導入も引き続き注目です。

グリコ出荷停止、プッチンプリンの棚が他社に奪われ始めた…重いデロイトの責任

グリコにおいてシステム障害によって2ヶ月にわたり出荷停止になるという事故が発生したという記事です。

DX化にともなう新たなリスクとしてサイバーセキュリティがあります。サイバーセキュリティというと、外部からの攻撃をイメージしてしまいますが、システムそのものの安定運用の維持という点も大事な要素となります。

内部での安定運用についても改めて考えさせられる記事です。

SaaS導入も「活用できていない」が3割超 高まる「BPaaS」の可能性(ITmedia ビジネスオンライン)

グリコに関連して、せっかく活用したITサービス(SaaS)をうまく活用できていないという記事もあります。結果としてビジネスプロセスそのものをアウトソーシングするBPaaS(Business Process as a Service)という考えも出ています。

個人的な意見としては、いわゆる雑務など事業としての主力ではないもののアウトソーシングは昔からあるものでありますが、主領域のDX化にBPaaSは導入しづらいのではないかと思います。
このあたりのビジネスモデル上の動きについても引き続き注目です。

Adobeの規約改定めぐり「利用者のコンテンツにアクセスされる可能性」時を経て再び物議(オタク総研)

今年2月に改訂されたAdobeのライセンスについて、再び物議が醸されています。問題点としては、ユーザーがAdobe製品を作って作成したコンテンツについて、AdobeにAIの学習データとして勝手につかわれてしまうのではないかという懸念です。

Adobeに限らず、IT製品の利用を通じたデータ取得は今日ではとても問題になっています。Adobe側は今回の騒動を受けて以下のようにあらためて規則の取り扱い解釈について声明をだしていますが、引き続き大手IT製品やサービスの規約の動向は無視できない温度感です。

めちゃ便利になった 無料版「ChatGPT」新機能の使い方まとめ【最新版】

ChatGPTのアップデートが止まりません。GoogleDriveなどとの連携とともに、WordやExcel、PDFファイルの中身の分析などができるようになりました。ASCIIのこの記事は最近のアップデートに関するまとめ記事です。

ChatGPT以外にも、AI関連の便利なツールが増え、語学に関してはこんなまとめ記事もあります。

仕事でAI利用する8割が、個人のAIツール持ち込み「Bring Your Own AI」 Microsoftが警鐘

先ほどの2記事のように便利なAIツールが登場している結果、日本のユーザーのうち78%が個人のAIツールを職場に持ち込んでいるという調査結果をMicrosoftが発表しています。

もっとも2個前のAdobeの記事にあるように、各種サービスが情報管理面で安全であったりする保証はありません。
今回の記事でMicrosoftが警鐘を出しているように、ビジネス上のガバナンスも重要になってきます。

アジャイルを採用したソフトウェアプロジェクトの失敗率はその他の手法と比べて268%も高いってほんと?

今週以下のような記事がでてプロジェクトマネジメント界隈で議論がおこりました。

アジャイルについて他のソフトウェア開発手法とくらべて268%も失敗する確率が高いという結果がこの記事の内容です。

もっとも、このGIGAZINE、および元記事のengpraxの記事の読み方には注意点があります。
この記事はImpactEngineeringという著者が提唱している新しいマネジメントスタイルとの成功率比較です。
アジャイル以前のオールドスタイルであるウォーターフォールはもっと成功確率が低いというデータが出ている研究もある点について注意です。この点の分析について述べられているのが冒頭紹介のZennに投稿された「えび」さんの記事です。

最近ではアジャイルガバナンスとしてソフトウェア開発を飛び越えて、政府の政策プロセスでも要素導入を検討しているのがアジャイルです。
そして、マネジメントについては、いわゆる管理職レイヤーの人間に限らず自身の業務遂行のためには大事なソフトスキルであるので、あらためて世のトレンドもみつつブラッシュアップしていきたいものです。

プライベートでMac使うのやめた

最近とにかく円安が問題です。その円安の影響をますます受けているのがブランドとして高価値になっているApple製品です。

Windowsでもソフトウェア開発をする人はいますが、環境面ではMacの方がまだまだ便利なものがそろっているというのがエンジニアリングの現状です。

この記事は、Macの現状を受けて、ミニPCにLinuxのUbuntuを入れて開発環境を作ったという記事です。

以前ドイツの州がWindowsの利用をやめてLinuxにしたという記事をご紹介したように、Linuxの導入も敷居が下がっています。

エンジニアでなくても、ご興味がある人はチャレンジしても良いかもしれません。コスト削減だけでなくPCの仕組みに関する理解としても、教養が身につくと思います。

ダッシュボードデザインの実践ガイドブックとチャート・コンポーネントライブラリ(ベータ版)|デジタル庁

デジタル庁がダッシュボードデザインに関するガイドブックを出しました。

PowerBI、Tableauなどデータの分析が容易なツールがたくさん増えました。これらについて、みやすいデザインの作り方や活用方法についてのガイドブックがこちらです。

先日もデジタル庁は生成AIの検証結果を公表したり、デジタル庁の最近の発表資料は一般の企業のIT活用にも参考になる情報があります。
IT関連の利活用を検討している人はマスコミのデジタル庁ニュースを受け身的に知るだけでなく、デジタル庁の最新情報を追いかけても良いかもしれません。

エンジニア以外でもSQLを使いこなす社内勉強会の取り組み

先ほどのデジタル庁の発表とあわせて、データ分析のためのプログラミング言語として、ますますSQLの学習ニーズが高まっています。この記事はCBcloud社がエンジニア以外にSQL勉強会を開催したことについての記事です。

SQLについてはこのサイトでも学習ツールとともに以下のような学習記事も用意していますのでご興味あればご覧ください。

終わりに

IT界隈の人にとってはあたりまえの解説もありますが、1つでも何か気づきがあれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by Markus Spiske on Unsplash

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