ITシステム導入にあたり事前に考えておきたい5つのこと

ビジネス IT技術

コロナが落ち着きましたが、引き続きDXというワードはまだパワーワードとして社会で話題になります。

これまで仕事柄、自分の手で作ることから外部ソリューションの導入まで様々なITシステムの導入をやってきたので、私のITシステム導入に関する考えについてまとめてみました。

目次

クラウドにするか、オンプレミスにするか

名刺管理のSanSan、ストレージのBox、オンライン契約のクラウドサインなどWEBサービスとしてクラウド上でなんでもできてしまうものがたくさん増えました。

一方でセキュリティの懸念ということで引き続き内部ネットワークに完結するようにオンプレミスにしたいという声があります。

もっとも私個人の考えとしては、必ずしも内部ネットワークに完結すれば常にセキュリティについては安心というのも言いずらくなったと思っています。システムのアップデートの速度がとても速くなっており、オンプレミスであったとしてもシステムのメンテナンスをしっかりやっていない場合、結果としてクラウドよりもセキュリティ的にまずい状態になるケースも十分にあり得る時代になったと思っています。

クラウドは、選定の際に安全性の高いものを選ぶという条件があったり、外部ネットワークにデータを預ける以上、セキュリティ対策に限界があるのは事実です。加えて社員のリテラシーや内部ガバナンスを徹底しないと無法地帯になるリスクがあります。もっとも逆に言えば、信頼のおける企業が運営して安全性の高いものを選びつつ、リテラシーや内部ガバナンスを徹底できるのであれば、メンテナンスコストも低く、セキュリティリスクもある程度抑えられると思います。この辺りのバランス、リスク管理をしたうえで導入検討していくことが良いと考えています。

レディメイドにするか、オーダーメイドにするか

レディメイドのものだと小回りが利かず、どうしても自分たちの思い通りの機能を持つオーダーメイドにこだわりたい声をよく聞きます。

一方でオーダーメイドをしてしまうと、結果として実際に開発してもらったシステムの性能の割には開発運用費用がうなぎのぼりにあがってしまうリスクも強いと思います。

後述しますが、真の意味でシステム導入を通じた生産性向上を求めるなら、結局ITシステム以外の業務設計そのものを見直さないといけなくなります。そう考えるならよほどのものではない限りレディメイドをまずベースに考えたほうが良いと考えています。

なお、最近は、Microsoft365,セールスフォースのように、かなり自由度が効いてカスタマイズできたりオリジナルのシステムを組めるサービスが増えているので第三の選択肢ができたと思っています。こちらはその分カスタマイズをするためのスキルが必要ですが、ゼロから開発運用するよりはずっと低い学習コストで済みますので、検討してみてもよいかもしれません。

専用アプリをつけるかブラウザベースにするか

どうしてもオーダーメイドのシステムを作る場合でも、共有ファイルサーバで共通のファイルを管理しあうなどの事情がない限り、専用アプリは不要と思います。存在してしまうとその分メンテナンスコストがかかってしまいます。基本はブラウザベース、WEBアプリケーションとして操作できるシステムを求めるのが良いと思います。

開発より運用の方がコストがかかる

こちらの投稿は、AmazonWebServiceのイベントの一コマになります。

この投稿の画像が示す通り、システムの導入において、現実的にもっともコストがかかるのは開発コストよりもそのシステムを維持する保守運用コストになります。

その点で、セキュリティや小回りが利かないという課題を克服する必要はあるものの、管理をなるべく共用化してくれる、クラウドやレディメイドのものをなるべく先行したほうがコスト面では有効であるのは間違いないです。

従来の業務設計の見直しは必要

ITシステムの導入の一番の目的は生産性の向上にあります。しかしながら単に今行っている業務をシステム化するだけでは、今までやっていた紙の作業が、PC操作の作業に代わるだけで実際は生産性向上に寄与しないことも多いです。

真に生産性向上をもとめるならば、システム化とともに、これまでやってきた業務フローの見直しは必要不可欠になります。例えば、書類として今まで分散管理していたデータをシステム導入とともに一元化してしまう、手入力をしていたものを自動入力にする、自動入力を実現するために新たな記入ルールをもう受けるなどです。

この辺りのマネジメント上の考え方について、先日発売されたコミック版、ザ・ゴール3などで紹介されています。ご興味あれば手に取ってみてもよいかもしれません。

終わりに

IT技術について不得意な方にとって、システム導入の参考に少しでもなれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by Andreas Klassen on Unsplash

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