安定か成長期待か。大型株投資と中型株・小型株投資それぞれの特性をまとめました

投資

個別株投資というと、大型株を選ぶか、小型株を選ぶかという考えを持つ人がいます。

この記事ではそれぞれの特徴やリスクについてまとめてみました。

投資は究極自己責任の世界となりますが、株式投資の戦略決定の参考になれば幸いです。

目次

大型株・中型株・小型株とは

定義は様々ですが、一般に市場全体の中で時価総額の大きさで大型・中型・小型とグルーピングしたときの企業グループです。

もともと上場企業というとそれなりの規模がありますが、大型株になると誰でも知る大企業になる一方、小型株になるとまだまだベンチャー色の強い中小企業がラインナップされる点が特徴です。

大型株投資の特徴

それではそれぞれの特徴を見てみましょう。まずは大型株投資から説明します。

縁のない業界でも情報は取得しやすい

大型株は経済界の顔となる大企業揃いです。

意識的に情報を集めなくても、経済ニュースには頻繁に現れる企業が揃います。

必然的に古今東西の情報を集めやすいという特徴を持っています。

ファンダメンタル面を重視する投資家にとって、なるべく情報を集めやすい身近な業界の株を投資したいところですが、大型株であれば、身近でない業界も情報を集めやすく、業界初学者向けとも言えます。

安定しているが爆発的な株価上昇は期待できない

経済界の顔と言えるような企業が多いだけあって安定した業績を出しており、倒産・暴落リスクは低めです。初心者でも比較的安心して投資できます。

一方で企業が大きすぎて、これから株価2倍・10倍といった飛躍的成長を期待できないという特徴もあります。
もしも10倍株といった利益を狙う方は大型株投資中心では厳しい側面があります。

企業分析の際は多角経営に注意

今まで、比較的初学者向け・初心者向けという言葉を使いましたが、一方で大型株特有の落とし穴として多角経営があります。

大きな企業ほど単一のビジネスを行なっておらず、様々なビジネスを行なっています。それゆえに様々なビジネスの状況を見て投資判断をしないといけません。

時として、一般人が代表ビジネスとしているビジネスとは違うビジネスが企業の主要利益となっている会社もあります。

例えばGAFAの一角アマゾンといえばEコマースサービスで有名です。しかしながら、実際に企業利益のメインを占めているのはEコマースサービスではなく、WEBシステムインフラを提供するAWSがビジネス上のコアであったりします。

以上のように、一般的なサービスイメージだけで投資判断をしてしまうと、思わぬ痛手を追ってしまうので注意が必要です。

大型株だからと油断せず、慎重な企業分析はとても大切です。

中型株・小型株投資の特徴

続いて中型株・小型株を見てみましょう。

縁のない業界だと情報は取得しずらい

中型株・小型株でも人気企業はたくさんあります。しかしながらそういう企業ほど市場は成長期待を反映しきっており、今から購入するには割高すぎることが多いです。

そのため必然的に中型株・小型株の成長でこれから利益を得ようとする場合、あまり人に知られていない企業を選好することになります。

結果として簡単に情報を得ることができません。縁のない業界だと競合分析も難しく、調査に非常に骨が折れる可能性が高いです。

今後の見通しは不安定、ハマれば爆発的成長も期待可能

中小企業ゆえに業績が安定しておらず、見通しが不安定のことも多いです。

一方で、見事にハマれば爆発的成長が起こり、一気に株価が上昇します。時として10倍株・100倍株になることがあります。

ちなみに、私個人の感想ですが、株価の2、3倍くらいであれば、業績よりも、マスコミ・社会現象だけであっという間に達成してしまうこともよくみます。

マスコミや社会的な流れを早く読むことができれば、業績以外の点を期待して投資する戦略も可能かもしれません。

中型株・小型株はインデックス投資も有効

ここまでは個別株の投資でしたが、中型株・小型株はインデックス投資も有効です。

中小株だけの指数は、大型株指数の上昇率を凌駕します。

一方で、コロナショックのような大きな暴落があると大型株以上の暴落を起こす側面もあるので暴落リスクも認識して投資する必要があります。

個別株投資はきついけど、インデックス投資で中小株の恩恵を得たいという人はアイデアとして持ってもいいかもしれません。

ちなみに詳細は、以下の記事で説明しています。ご興味あれば参照ください。

アクティブファンドが大型株投資をする事情

ここまでの解説だと、中小株投資は上級者向け、大型株投資が初心者向けという印象を受けた方もいると思います。

ならば、プロの投資家やアクティブファンドのほとんどが中小株投資おこなっているかというと、実際は必ずしもそうではありません。

最後に、アクティブファンドのほとんどが大型株投資をする事情をご説明したいとおもいます。

投資資金が大きすぎると、小型株を買い切っても余ってしまう

実は、中小株はアクティブファンドのような投資ファンドが投資をしてしまうと、当該企業の全ての株を買い占めてしまうという問題が発生してしまいます。

一般原則として成績の良いファンドほど人が集まり、投資しなければいけない資金が大きくなります。結果的に中小株だけを投資しようにも、当該企業の株式全てを購入してもお金があまってしまうというジレンマが発生してしまうからです。

現在のウォーレンバフェットも大型株投資家

このジレンマにハマっている投資家の一人が、世界最大の投資家の一人ウォーレンバフェットかもしれません。

かつてのウォーレンバフェットはどちらかというと中小企業株投資でした。しかしながら、1990年台ころから、コカコーラやアップルといった大型株投資中心になっています。

もともとバフェットの投資スタイルは、状況によっては企業買収も辞さないスタイルで、中型株・小型株も多く投資していました。

しかしながら、自身の管理資産規模が大きくなれば大きくなるほど、資産のパフォーマンスを求めるならば大型株を選ばないといけなくなるというジレンマが発生してしまっています。

最初から大型株選好のファンドもある

余談ですが、このような傾向を把握し、当初からバフェット流の大型株投資を志向している投資ファンドがあります。農林中金のおおぶねシリーズです。

本も出ているので興味のある方は手に取ってみても良いかもしれません。

終わりに

以上です。株式投資において何か気づきがあれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by rupixen.com on Unsplash

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