ロシア株やめました

投資 個別株 雑記

長らく続けていたロシア株投資を今月中旬をもって撤退しました。この記事では撤退に至った理由や撤退時の最終成果などについて振り返ってみたいと思います。

なお、ロシア株を投資ていた背景などは以下の記事に書いています。もし興味があれば以下の記事もあわせてご覧ください。

目次

撤退した理由

止まらないルーブル安

ロシアの通貨であるルーブルについて、一貫した下降トレンドを維持しています。2013年頃は1ルーブル3円で推移していたものが、2017年代には1.8-1.9円に、最近は1.3-1.4円台に低下しています。

個別株の価格上昇下落よりも、為替のインパクトのほうが大きく、どうしても個々の企業の業績よりも通貨全体の動向のほうが気になってしまう状況でした。

やはり情報収集が難しい

多くの企業について、日本語で情報収集することが絶望的にできません。米国メディアなら一応情報は手に入りますがそれでもかなり不十分です。そうなるとロシア語の現地情報に頼ることになります。幸い、企業ごとの公式サイトは英語があるものの、さすがにロシアメディアに英語版はない状況です。※私は大学時代ロシア語を選択していたため、ロシア文字と簡単な文法こそわかりますが、さすがに辞書を片手にがっつりロシア語の記事を読む気にはなれないです。

一応身近なロシア系メディアとしてスプートニクというメディアがあり、英語・日本語それぞれ対応されています。しかしながら、ロシア語記事の翻訳というわけではなく、それぞれの言語でローカライズして選ばれた記事を掲載しているため、ロシア経済情報の取得という観点では厳しいという現状です。

世界全体を見ると魅力的かというと...

やはり、世界経済全体でみると、特筆してロシアという国が魅力的な投資対象というわけではなかったです。それにもかかわらず、ポートフォリオの割合が高めでした。(一番ひどいときは全体の3割を構成していました。)今思うとかなり危険であったと思います。リスク観点でもっと安全にいきたいという気持ちがどんどん強くなっていました。

地域投資するならETFで良いんじゃね?という感覚

以前の記事にも書きましたが、ロシア株を始めたきっかけは、初心者故にETFという存在をしらず、米国・日本株以外の投資対象ということで始めました。それゆえに地域投資という目的であり、特定企業にこだわりがありません。ETFを知った今となると地域ごとの投資をするならETFで十分なので、積極的に個別株を買う理由ももうない状況です。むしろ個別株故に各企業の状況管理をする必要があり、無駄な負荷が強かったという状況でした。

最終成果

実際に投資した銘柄・最終的な投資成果についても述べていきたいと思います。

一応儲かりました

ここまでネガティブな話ばかりでしたが、なんだかんだ全体で10%の利確で終了しました。ただし、コロナショック前は30%ほど利益がありました。そのためタイミングを逃したというのが実際のところです。

主な貢献は一部の企業のキャピタルゲインとインカムゲインです。前者は平均して2割ほどの成長をし、高いものだと2倍株くらいにまで成長しました。後者はロシア全体で5%-10%と高く、再投資していくことでさらに貢献しました。ルーブルで見た場合、パフォーマンスは非常に高めでしたが、一貫したルーブル安が影響して実際の日本円に換算したときの貢献は10%でとどまってしまったというのが現状です。

投資した銘柄

投資した銘柄についてもご紹介したいと思います。

ガスプロム

おそらくロシアで最もメジャーな企業ではないでしょうか。半国営のガス企業です。安定感があり、キャピタルゲイン・インカムゲイン双方で活躍しました。

ノヴァテク

ガスプロムに次ぐガス企業です。ロシア株にしては配当率は低かったものの、成長率・投資家の期待値が高く、キャピタルゲイン面で大きく貢献しました。

ルクオイル

ロシアの民間系石油企業としては、最大の企業です。コロナショックで石油系企業は大打撃を受けましたが、ここは被害が小さいほうだった印象です。

ロスネフチ

ロシア最大の国営石油企業です。こちらは痛手を食らいました。

ガスプロムネフチ

ガスプロム傘下の石油企業です。ここも痛手をくらったところの一つです。石油系はロシア投資でもっとも痛手をくらったところですが、もともと資源中心であったものの石油の割合がそれほど高くなかったのが救いでした。

ノリリスクニッケル

バラジウム世界最大の算出企業です。キャピタルゲインで大きく貢献したところの一つです。

VSMPOアヴィスマ

チタンの世界最大手の一つです。チタンは航空機の主要原材料であるため、コロナショックで大打撃を受けましたが、石油ほど被害は大きくなかった印象です。

セヴェルスタリ製鉄

ロシア新興財閥オリガルヒの流れをくむ鉄鋼系の企業です。インカムゲインの割合が高く平均的に10%もの配当を毎年出していました。

ズベルバンク

ロシアのメジャーバンクの一つです。資源以外で唯一投資した企業です。成果としては可もなく不可もなくというところです。

ロシア株投資を通じて学んだこと

最後にロシア株投資を通じて学んだことについて振り返ってみようと思います。

情報収集の重要さ

繰り返しになりますが情報収集がとにかく大変でした。大きな変動があったとき日本株・米国株ならすぐに情報が得られますが、ロシア株については情報取得がとても難しいです。情報なしで売買の投資判断することは実質ギャンブルに近いため、大きな変動がおきるたびに恐怖でした。

ETFの便利さ

地域別のETFなら地域の経済を確認するだけで済みます。しかしながら個別株となると企業を一つ一つ見ていく必要があります。仮に地域の主要企業まんべんなくとなると、どれを主要企業とするかの調査とポートフォリオのバランス管理が必要になります。これを考えると、ETFの便利さをますます痛感することになります。

終わりに

個別株としてのロシア株は撤退しましたが、今後も新興国株の一角としてETFの検討はすると思います。

情報入手が楽で身近な企業の多い日本株・米国株と全く違う性質を持つロシア株の個別株に挑戦できたことはとても学びがあるものでした。また幸運にも損失を出さずに撤退できたことも本当に良かったと思います。

この記事が、マイナー国の個別株に投資する際の参考としてお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by Markus Spiske on Unsplash

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