金融商品取引の切り札、レバレッジについてまとめてみた

投資

最近投資ブームに乗っかってか信用取引・レバレッジ商品といった高リスク商品をすすめる証券会社広告が増えたような気がします。

この機会にと思って私自身も改めてレバレッジ取引について調べてみましたので、この記事でまとめてみたいと思います。

なお、言うまでもないですが、投資は自己責任なので、最終的にこれらの商品を活用するかどうかは自己責任でお願いいたします。

目次

現物信用取引

まずは現物取引における信用取引です。

証券会社から証拠金を担保にお金を借りて、借りたお金で株などの取引をするものです。

商品によって様々ですが、株式であれば証拠金の3倍までの額を借りて取引ができます。

ちなみに、後述のCFD,レバレッジETF・投資信託もベースは一緒で他人のお金を借りて取引するという点は一緒です。
ちなみにレバレッジという言葉は本来はテコという意味です。証拠金をもとにした資金のテコ入れということを意味しており、信用取引と同じ意味を意味しています。

後述のものに比べると特段高い手数料や、仕組み特有のリスクはありませんが、現物取引ゆえに一つ一つの取引は高額になってしまいやすいという欠点があります。

CFD

続いてCFDです。差金決済取引の英語略です。

証拠金を預け、対象商品の買い・売りを現玉という単位で取引します。

CFDの代表的な取引は為替通貨取引を行うFXであります。また、最近著名な投資家YouTuberとタイアップで宣伝しているIG証券の取引はCFDをメインにしています。

株式現物の信用取引では3倍までのレバレッジしかできませんが、取引対象を株式先物などにすることにより、10倍のレバレッジをかけられるところもあります。

また、現物の信用取引にくらべて、比較的低資金で始められます。例えばPayPay証券の10倍CFDは1万円から始めることができます。

他の商品と比べてのデメリットとしては、手数料体型が複雑であったり高くなりがちな点です。

代表的な手数料の取り方として、売却代金と、購入代金が異なるスプレッドという概念があります。一般に、売却代金は安く設定され、購入代金は高く設定されます。

仮に購入手数料が無料であってもスプレッドが非常に高い幅をもっていることがあり、手数料支払いには注意が必要です。

CFDはレバレッジをかけなくても利用できますが、レバレッジをかけないのであれば、各現物やETFを利用した方がはるかに低コストで取引ができます。

それゆえに上級者向けの取引という印象がとても強いです。

レバレッジ投資信託

続いて、レバレッジ投資信託です。

投資信託の運営先が購入する商品にレバレッジをかけて運営する仕組みです。

投資信託ゆえに低価格帯から取引ができ、ノーロード商品も多く売買に手数料がかからないのが魅力です。
また、インデックス指数と連動するものがほとんどゆえに、アクティブファンドにくらべて信託報酬もまだ良心的な方で、高くても1%台であることも特徴です。

一方で、指数反映が基本的にデイリーであるために、中長期的には指数の動きと連動しません。
例えば、レバレッジのない1万円の商品が1日目が10円(1%)下がり、2日目は10円(1.001%)上昇、3日目は10円(1%)低下、4日目は10円(1.001%)増加とジグザクに動いた場合、4日目終了値はそのまま1万円になります。

同じ商品の指数の2倍レバレッジETFの場合、4日目までの変化が1万円と元に戻らず、あくまで毎日の上昇率に2倍をかけた値になってしまうので10175円となり、指数と乖離が発生してしまいます。

今回の例では上昇の乖離が発生しましたが、一般にジグザグ相場ではむしろ指数より低下する可能性が高く、確実に上昇が見込めるタイミングでないと損をする可能性が高いです。

レバレッジETF

最後がレバレッジETFです。

ETFとは、上場投資信託の略で、投資信託ではありますが、株式のようにリアルタイムで取引ができます。

基本的性質はレバレッジETFと一緒です。低価格取引が可能であるとともに、連動指数との乖離が発生しやすいです。

一方で一般投資信託はリアルタイム取引ができないのに対して、レバレッジETFはリアルタイム取引ができるのでその点には魅力があります。レバレッジ投資信託は指数乖離が激しく中長期には向きません、リアルタイム取引はありがたい仕様です。

一方、ノーロード投資信託のような手数料無料はありません。手数料を抑えたい場合、SBIネオモバイル証券の利用や、各証券会社の日単位の手数料支払いなどの工夫が必要です。

いずれにしても戦略は短期トレードか

以上4種類の商品を紹介しました。

どの商品も、お金を借りて取引するがゆえに、相場の動き次第では即座に撤退・利益確定するなどのクイックな売買判断が必要です。その点で短期トレード向きといえます。

短期ゆえに、中長期的な経済動向を読むよりは、チャートをみてテクニカル分析を行いながら短期の動きを読む方が主流となると思います。

チャートによるテクニカル分析は、ウォール街のランダムウォーカーなどの本では単なる偶然として否定的でありますが、私個人はこれだけ多くの人が短期売買の法則を信じて取引をする以上なんらかの法則は発生してしまっていると思っています。

もっとも、単純にみんなが教科書通りにチャート分析して上がりシグナルが出たら購入して下りシグナルがでたら売るということをしたら早いもの勝ちになり、結果として投資銀行が行うAIを利用したシステム投資には勝てないと思います。

もしも、短期的なトレードで人よりも利益を稼ごうと思うなら、「投資で一番大切な20の教え」で述べているような二次的思考が必要になるかと思います。
つまり、単に教科書通りに売買判断するのではなく、「シグナルは買いになっているからみんな買いに走るだろう。だけどそうなることを読んであえてここは購入は待って、次のタイミングであえて売りにでてみよう」など市場心理を読んで判断する高度な思考が必要になるかと思います。

それゆえに厳しい世界となりますので、よほど自信を持って判断できる局面ではないとレバレッジをかける取引は厳しいなあというのが私の見解です。

私自身、ベースは中長期投資であるものの、一応短期的な視点も分析したり勉強しております。しかしながら、今ひとつ自信をもって勝負できるタイミングをなかなか見出せていません。

それゆえに、レバレッジをかけて勝負していこうということはなおさら難しいと考えています。

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。
引き続き投資やトレードで気になることがあれば調査したり検証したことをまとめてみようと思います。

Photo by Roberto Junior on Unsplash

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