私の積立投資戦略

投資 読書

以前私の個別株投資の戦略をご紹介しました。

個別株投資も本を読んで勉強したり、シミュレーションや実験的な投資による検証を重ね、戦略をもって投資していますが、積立投資も同じように勉強と検証を重ねて得た知見を元に、戦略を持って投資をしています。この記事では私の積立投資戦略をご紹介します。

この記事について

なお、投資戦略選定以前に「投資の世界に触れたこともないよ!」という方は以下の記事もあわせて読むことをおすすめします。

目次

注意事項

あくまで私がこのように実践していますという紹介です。私自身投資のプロでもなく、「億り人」のような成功者ではありません。そのため、かならず成功を保証する戦略ではありません。実際にこれを参考にするかしないかは自己責任の元でお願いいたします。

投資対象は株式・債券・REIT・コモディティ・現金

投資対象は「株式・債券・REIT・コモディティ・現金」の5種類です。メジャーな投資対象はほぼ網羅している認識です。

株式

メインの投資先です。リスクはあるものの株式のパフォーマンスは他の投資対象と比べて目を見張るものがあります。ちなみに投資先は、米国株、米国以外で日本も含む先進国株、新興国の3地域に分けて投資しています。

3地域に分けて投資する理由は、以下の図のように時価総額連動の全界株式指数ベースで投資してしまうと、米国株以外の先進国・新興国特有の動きの恩恵を得られないからです。

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なお、単純なインデックス投資に限定せず、後述するスマートベータ戦略も取り入れています。

債券

債券をいれる目的はリスクヘッジです。債券の基本性質として、価格上昇も高い配当収入も見込めませんが、大きな暴落が起きづらく、安定感に魅力があります。

2021年1月現在、債券の中でも私がメインに据えるのは国債・優良社債です。もっとも現在のポートフォリオにはありませんが、投資タイミングによってはハイイールド債(※国債・優良社債と比べると、破産リスクがあるが利回りが良い債券)を組み込むことも視野に入れています。

リスクヘッジがメインの目的ゆえに、株価上昇が加熱する2021年1月現在は後述のコモディティとともに割合を高めにしようと意識しています。安定感があり、リスクヘッジとしてはとても魅力的な対象ですが、インフレに弱いのでリスクヘッジ対象としても全振りできないのが実情です。

REIT

不動産の投資信託です。(※定義はさまざまで不動産株や不動産関連債券が含まれることもあります。)魅力としては安定的な高配当が魅力です。欠点としては、株式以上にリスクが高く、加熱する時はとても加熱しますが、暴落する時は一気に暴落する特徴があります。例えば東証REIT指数は、2017年から2019年末にかけて指数にもかかわらず1.5倍という成長をしました。ところが、コロナショックで半額まで落ち、その後回復しましたが2017年頃の水準のままで、現在もTOPIXや日経平均ほどの回復と成長は見せていません。私自身の感覚ですが、土地ゆえに後述のコモディティ色があるのか、株式と違って価格帯に見えない天井が常にあるイメージがあります。

私個人の投資戦略としては、配当益よりも売買益の方をメインに見据えています。今回あげた投資対象の中では特に経済の流れを見てポートフォリオの保有率を変動させる投資対象です。例えば2019年中盤の時点で加熱しすぎていると判断し、全額売却して積み立ても停止しました。コロナショック後、ナイフが完全に落ちたタイミングを見計らって再度積立投資を開始していますが、再度加熱したときは同じアクションを取る可能性は高いです。

コモディティ

コモディティとは、そのまま日本語訳にすると「モノ」です。文字通り、一般に石油・ガス・貴金属・農産物などが投資対象になります。特徴は商品によりさまざまですが、共通してあるものとして、株価など他の指数と連動しにくいという点、あくまで「モノ」ゆえにそれ自体からは配当など何も生み出さないという2つの特徴があります。

さまざまな種類の投資対象がある中で私が積立投資の対象とするのは主に金や銀といった貴金属です。特に金は「有事の金」と言われるように価値がなくならないものと言われ、株価が暴落したときに急騰する性質があります。債券と違ってインフレにも強いので、現金がインフレした時も連動して価格が上昇します。

コロナショック以降、株価の加熱を懸念して債券とともにリスクヘッジのために割合増強を進めています。

現金

人によって投資対象には考えない人もいますが、私にとっては現金も大事な投資対象です。これまでに紹介した投資対象いずれにも割合を割くことが危険と判断した時、現金の割合を増やす戦略をとっています。

2019年は「Everything Bubble」という年で、株価だけでなく、債券・金なども上昇していました。この時期は流石に毎月の積立投資資金全てを株式・債券・コモディティに回すのはリスクが高いと考え、貯金を増やすことを意識していました。逆にコロナショック後は、各国が財政赤字覚悟で経済政策を行っているため、インフレリスクが高いと見て意識的に割合を減らし始めています。

ちなみにFXは行っていませんが、円一本もリスクがあると思うのでドルも積み立てています。現在はポートフォリオにありませんが、状況によりユーロ、元も採用しようかは検討しています。

一方で、かつてはビットコインなどの仮想通貨も保有していましたが、変動が激しすぎて精神面のコントロールができず元本を取り戻したタイミングで撤退しました。2021年1月現在、コロナショックを機にビットコインが急騰していますが、過去の苦い思い出から手を出すのは躊躇っています。

ちなみにプロの投資家にとっても現金は大事な投資対象であると認識されているようですが、FXを除くとリスクヘッジ以外の目的が全くない故に説明責任が難しく、保有割合を積極的に増やすことができません。アマチュア投資家が唯一プロの投資家よりも有利に運用できる資産であると言われています。

投資対象のメインはETF

ここまでさまざまな投資対象を紹介していきました。これらの投資対象について、現金を除くと全て上場投資信託であるETFを購入しています。やはり指数ベース購入をする場合、ETFはとても便利であること、普通の投資信託よりもわずかながら信託報酬が低い点が魅力です。ちなみに、信託報酬が低い点、私がこころがける投資戦略にマッチした商品が多い都合上、ほとんどを日本のETFではなく米国ETFで購入しています。

ベースはドルコスト平均法+インデックス投資

ここまで述べたように全体割合のバランシングや、機を見ての売買、後述のスマートベータ戦略も部分的に導入しています。しかしながら、ベースはドルコスト平均法のインデックス投資を心がけています。下手なアクティブ運用よりなんだかんだ確実に資産が成長するからです。

スマートベータも導入

スマートベータ戦略とは、通常の指数ではなくITセグメント指数・高配当指数・小型株指数・バリュー株指数など、通常指数に特徴をつけて再分類した株式指数を購入する戦略です。常時インデックス投資より有利に働く保証はありませんが、統計の記録上、通常のインデックス指数よりも有利に立てるタイミングが発生しやすい点が特徴です。

私も全振りはしていませんが部分的にスマートベータ戦略を採用しています。なお、スマートベータ戦略は非常にさまざまなものがあり、玉石混淆すぎて各戦略が本当に有効かどうか不安にも思っています。そこで以下の記事で取り上げたようなシミュテーションを行った上で、本当に有力であると判断した戦略だけを採用しています。

低リスク運用重視

ここまでいろいろ述べてきましたが、暴落の大打撃を受けるよりは、多少の利益獲得の機を逸することは許容するつもりで投資しています。投資のプロの中では、その投資家がどれだけ安定的な運用ができているかという指数としてシャープレシオというものが重視されているようです。アマチュア故に投資のシャープレシオを計ったことはないですが、意識レベルではシャープレシオが低くなるように意識して投資しています。

低リスク戦略として、特に意識しているものは以下の2つです。

市場の流れを読む

市場のふり子がいまどの位置にいるのかはとても意識しています。加熱しすぎていて、短期のトレーダーがいまをチャンスだと言っているタイミングほど警戒します。逆に暴落局面など市場が冷めたタイミングや、有料資産にもかかわらず世間が軽視している投資対象ほど積極的に割合を増やすようにしています。

資産バランスを意識

前述の市場の流れも読みつつ資産バランスも意識しています。加熱している投資対象は売却して利確していき、利確して手に入れた資金を安全資産、次のタイミングで急成長するだろうと考える資産に回してバランシングしています。

投資戦略決定にあたって影響を受けた本

現在の戦略策定にあたりさまざまな投資書籍を読んできました。そのなかで特に私が影響を受けた本をご紹介しようと思います。

「ウォール街のランダムウォーカー」・「お金は寝かせて増やしなさい」

インデックス投資をベースにすべきという考え方は「ウォール街のランダムウォーカー」に最も影響を受けています。「ウォール街のランダムウォーカー」の日本語版導入書というテイストの、「お金を寝かせて増やしなさい」も当然影響を受けています。これらの本を読むとインデックス投資の低コスト高パフォーマンス感を実感できます。

ジェレミーシーゲル著「株式投資」・「株式投資の未来」

この2冊は株式中心の投資戦略、スマートベータ戦略の採用の決定に影響を与えた本です。シーゲル教授による研究成果をこの本を通じて学ぶと、スマートベータ戦略は必ずしも怪しい戦略とはいえないと実感することができます。

ハワード・マークス著「投資で一番大切な20の教え」・「市場サイクルを極める」

米国を代表する投資会社「オークツリー・キャピタル・マネジメント」の会長、ハワード・マークスの本です。「投資で一番大切な20の教え」に至っては世界最大の投資家の1人、ウォーレン・バフェットが絶賛して株主に配ったほどの名著です。どちらの本も低リスク運用、投資における市場サイクル見極めの重要性を説いています。

この他、二次的思考で投資することを指南しています。「二次的思考で投資する」とは、端的にいうと人より深く考えて投資し、安直な思考で投資をするなということです。例えば、好況期を「株が上昇するタイミングだ」として株を買うことは一次的思考であり、より深く踏み込んで、「公共でみんなが上昇を見込んで株を買うタイミングだから自分は売って利確しよう」と考える思考です。とても難しい思考法で私も会得したとはとてもいえないですが、会得するべく努力せねばと思っております。

高橋ダン著「世界のお金持ちが実践するお金の増やし方」・「僕がウォール街で学んだ勝利の投資術」

元ヘッジファンドの投資家YouTuber高橋ダンさんの本です。どちらも最近出版された本なので、投資戦略を決定づける影響を与えたというよりも、私が採用するこの積立戦略を維持するモチベーションに繋がった本です。

高橋ダンさんが提唱する投資戦略「ライオン戦略」の長期投資戦略は私が四苦八苦しながら目指している理想の一つです。もしも投資初心者の知人に積立投資の本を紹介するとしたら、インデックス投資を学んで欲しいという気持ちで1冊目は最初に紹介した「お金は寝かせて増やしなさい」ですが、2冊目としては高橋ダンさんの本を紹介します。

終わりに

以上が私の積み立て投資戦略でした。若干趣味要素も強い個別株投資と違い、積立投資は将来の資産形成として、低リスクで確実な成長ができるものを目指しています。そのため、日々新しい理論を学んだり、商品選択・売買判断の失敗を糧に改良しています。この記事も反省を通じて順次アップデートできればと思います。ど素人である私の投資戦略の紹介記事でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by Roberto Junior on Unsplash

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