人に交渉したり、プレゼンしたりする際に私が意識していること

ビジネス 私のビジネススキル活用術 読書

私がいわゆる営業マンではないので、交渉やプレゼンということについては正直のところまだ手探りなところが多いです。その点で、私のビジネススキル活用術ではこれまで「気をつけていること」をご紹介しましたが、そもそも何を気をつければいいのかさえまだわかってないです。ただ交渉やプレゼンするような場面はなんだかんだたくさんあるのでそういった場において、私が意識してることをこの記事では紹介しようと思います。

目次

理詰めより信頼

昔ロジカルシンキングの本も買いたことがある方の公演を傍聴したときにこんな質疑応答がありました。

質問者:「相手を説得するにはロジカルシンキングのどういうところを活用したらいいですか?」

先生:「そもそも説得したい人はあなたのことを信用していますか?信用がなければいくらロジカルに説明しても相手は納得してもらえませんよ。」

世の中正論だけでは生きていけないという言葉がありますが、やはり信頼してもらってない人にいくら正しいことを言おうとしても納得はしてもらえないと思います。その点でまず信頼されているかどうかは大事なポイントではないかなと思っています。

でも論理も大事

じゃあ、ロジカルなことは無視してOKかというと、そうではないと思います。ロジカルシンキングは主にこんな点で大事と思っています。

考えが整理される

そもそも自分が相手に何を伝えたいかというところが整理されていないと、仮に相手が納得したとしても自分が思った通り動いてくれないと思います。その点でまずロジカルに考えを整理することは、的確に伝えることに効果的であり、大切であると思っています。

説明がしやすくなる

考えを整理することで、緊張する相手でも少しは落ち着いて説明することができます。緊張する相手こそロジカルに端的に説明することが必要になるかと思います。ロジカルシンキングはそういったことをサポートしてくれます。

客観視できる

整理していくことで、一方的な視点だった自身の主張の欠点などに気づくことができます。気づくことによって課題をみつけ、さらにより良い考えを持って相手に伝えることができます。

ロジカルシンキングについて詳細は以下の記事にまとめています。もしもご興味があれば一読ください。

相手も知り自分も知る

交渉したい相手、自分自身、双方の関係性を事前に把握していくことはとても大事と思います。おそらく、最初にお伝えした信頼関係という点も、この把握作業で気づくと思います。このほかにも、相手と自分の感情の把握が特に大事と思っています。

交渉相手という視点では感情に訴えると動くタイプか、それとも感情よりも論理などを大切にするタイプかなどがあります。前者であれば熱い思いを伝えることが大事ですし、後者であれば数字やロジックのデータが大切になります。

また、自分自身の感情の状況把握ということも大事です。嫌いな相手と交渉する場合、思わず感情的になってしまい議論が建設的でなくなってしまうリスクがあります。逆に相手が仮に自分より弱い立場の場合、簡単に交渉が成立すると思っていい加減になってしまう可能性もあります。おそらく、お願いを実行してくれる可能性は高いですが、正確にお願いするという点を怠った結果、確実に思った通りの行動をとってくれるかは怪しい可能性があります。自分自身の感情を把握することで交渉失敗のリスクを知ることができるのです。

先日、オリエンタルラジオの中田さんが2021年4月をもって顔出しを引退を宣言していました。しかしながらそれにもかかわらず、4月5日には撤回しました。ここで出てきたのが、「中田敦彦をみたいというニーズに答えられなかった」などというものでした。ここも自分を知る・相手のニーズを知るという点の失敗だったのかなと思います。

似たお話で桂歌丸さんの落語をテレビで見たときのエピソードがあります。この座を見た時は、正直のところ当初会場の受けはいまいちでした。理由は後になって気づきましたが、やや古い言葉を多めにつかって題材の落語のお話をしていたため観客にあまり馴染みがなかったようです。ここで歌丸さんがとったことは若者言葉も交えるなど語り方を変えて軌道修正していって、観客心理をつかんで行っていました。結果としてお客さんにも受けも良くなり最後は会場が爆笑していました。これがプロの落語家の技かあとびっくりした時でした。

ある種のコンサルティングをやるつもりで

信頼を築いていくという点が最初に大事と言いましたが、基本的にファーストコンタクトの時はお願いしにいくというよりはディスカッションがメインであるかと思います。存分に相手に語らせて、相手の情報を知り、知識のレベルで提案、情報提供をするといったコンサルティングをするようなコミュニケーションがいいと思っています。そうしていくことで信頼が作られると同時に、相手にどのような説明をすると刺さるのかがわかるのではないかと思います。

相手をやりくるめるというより双方にメリットとなるものの提案

あんまり、一方的に相手に要望を押し付ける交渉術は個人的に好きではないです。もちろんこのような主張展開により活躍している人の存在があることは事実ですが。それよりは、双方にとってWINWINになるような提案・交渉材料を準備して相手に提案していくやり方が好きです。むしろそれが、交渉前の準備において一番おもしろいことであって、交渉が成功したときに相手も喜んで引き受けてくれたりしたときに嬉しい気持ちになるのかなと思います。

基本は素直に

基本的に何かお願いしたり、説得する時は、相手からたくさん反論や懸念点の指摘が来ると思います。その中には、全く想定外の盲点だったりする時もあります。そういう指摘があったときに、無理に反論したり、ごまかして話を推し進めることは個人的には筋悪な交渉だと思います。

理由は2つあります。1つ目はそのときに思いついたような反論やごまかしは、単なるはったりなので交渉相手に即座にバレやすいということです。はったりであるとバレている反論をしたところで納得して欲しい相手には全く効果的ではありません。2つ目は新たに知った欠点を気づきながら推し進めたところで、後々その欠点が顕在化して元々持っていたゴールの達成が頓挫する可能性があるからです。

以上のような観点から欠点や問題点を指摘された時は、基本的に素直に認めて、懸念事項を深掘りすることを私は意識しています。深掘りしていくことで相手の懸念や課題の詳細がわかり、より新しく双方にとってWINWINになるアイデアが生まれるかもしれないからです。

味方を増やす

主に苦手な相手や、対立する相手との交渉の時に特に意識することですが、交渉する前に自身の考えに味方してくれる人を事前に増やしておくことが大事と思っています。主に3つのような理由です。

応援してもらえる

言うまでもなく応援してくれる人の存在ができることは大事なポイントです。状況によっては、苦手な相手との交渉を手伝ってくれたり、仲裁者になってくれるかもしれません。そうなると心強い助っ人になります。

自然と考えがブラッシュアップされる

味方を増やしていく過程で、味方からも「こうした方がいいんじゃないか」「ここちょっと危険かも」などの意見をもらえると思います。このようにしていくことで、自然と考えがブラッシュアップされてより良いものになっていきます。

自信がつく

賛同してくれる人が増えるということは、私の考えは間違っていないということを実感することになり、必然と自信がついてきます。自信をつけることは仕事を進めていくことでとても大きな力になっていきます。

どうしても苦手な相手・対立する相手には仲裁者に助けを求める

味方をつけるというところにも通じますが、やはり苦手な相手、対立する相手との交渉は1on1だととても厳しいです。その点で仲裁者を交渉の時に設けることはとても大事です。仲裁者は議論が建設的になるようにサポートしてくれます。感情的になりやすい人の場合は、仲裁してくれる人の存在は議論のバランサーにもなってくれます。

参考文献

最後に参考文献です。ビジネススキル本というよりは、考え方としての自己啓発的な本が多めです。

GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍

私自信が相手をやり込める交渉が好きじゃないので、WINWINになる考え方を気づいていくことの大切さを説くこの本はとても馴染みやすい本でした。

華僑の大富豪に学ぶ ずるゆる最強の仕事術

中国古典の儒教などをビジネススキルに活用する本です。儒教などは人の心をベースに説いた哲学書でもあるので、仕事や議論をよりよくするための考え方の本として参考になりました。

ビジネスパーソンのための法律を変える教科書

法改正のロビーイングの実例について触れた本です。私が学生時代法学部でロビーイングの勉強をしていたことから、紹介を受けて手に取りました。最初の2冊と違い実践例の本ですが、信頼関係を築いていくことや建設的な議論をすすめていくことの大切さが書かれています。

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。私自身も試行錯誤な領域で、1年後には全く違う考えを持っている可能性もありそうですが、何か考えるきっかけになれば幸いです。

Photo by Andrea Natali on Unsplash

 みやうデジタルラボ - にほんブログ村