業務フロー刷新や業務ガバナンス強化にあたって考えていること(IT技術者としての視点も踏まえて)

ビジネス IT技術 私のビジネススキル活用術

これまでの仕事の経験上、法改正・社内ルール変更などのトップダウンレベルのものから、組織上で発生した事故やトラブルがきっかけで、業務フローの変更や内部ガバナンスの刷新などに携わることが多くありました。

IT技術者というバックグラウンドを意識しつつ、その時に、私がこれまで心がけていたり工夫していたことをまとめてみました。

目次

ただのルール化に留めない

私の立場は現場の担当者の一人か、PMOのような現場の支援をする中間的な立ち位置であることが多いです。それゆえに、ただ単純にトップダウンで定められた新しいルールをそのまま業務ルールに適用することは極力避けています。

新しいルールを作れば作るほど、仕事の品質や安全性は向上する可能性はあるものの、生産性は落ちる可能性が高いです。また、めんどくさいルールの場合、全員に浸透させるのも大変です。

特にPMOという立場の場合、単に上からお達しのあったものを適用するだけでは何のためにこの立場で仕事をしているのか意味がわかりません。いわゆるブルシットジョブ化する典型と思います。それゆえに、何らかのカスケードダウンや業務フローにコミットして、浸透しやすく生産性を落とさない工夫を考えていくのが大事と考えています。

ダブルチェックは最悪の選択肢

業務フローにコミットする上で一番最悪の選択肢はダブルチェックと思っています。ダブルチェック者が専門的な知見でアドバイスをするならともかく、単に関所という目的で作るのであるならばダブルチェックは責任の移転や分散する効果しか持ちません。

余談ですが、現場で起きた大きな事故の場合、現場責任者が再発防止を経営層などに説明する場を設けることが多いと思いますが、深刻な事故であるほど、心ある経営者であれば、ダブルチェックを単にするという再発防止を持っていくと厳しい叱責をもらいます。マネジメントとして仕組みそのものの見直しをしてほしいという意図があるからです。

とにかく現場主義

ガバナンスの効果の実効性、生産性の維持向上を考えるとやはり現場視点で組んでいくことが大事です。

現場のプレイヤーという視点であれば、楽ですがPMOの立場でもとにかく現場視点、現場目線で考えるようにします。

PMOのように実際のプレイヤーになれない立場である場合は、状況によっては新フローや新ルールの部分施行や施行テストも行なって、現場に問題が起きないように導入していくことも検討しています。この辺りは、IT技術者としてユーザーにITサービスを提供することと同じ意識で考えています。

これまでよりも生産性向上を検討する〜ピンチをチャンスに変える〜

ガバナンスや業務フロー刷新は、典型的なピンチをチャンスにする事例になることが多いです。特に重大な法改正や事故の再発防止の場合、経営側も大幅に投資してくれることが多いです。

ちょっと話題がそれますが2013年、Yahoo! JAPANにおいて、ユーザーデータベースの不正アクセスによる個人情報漏洩事故が発生しました。この時、経営レベルで再発防止に本気になり、システムを刷新した結果、運用コストが大幅に激減したという報告があります。ここまで劇的な事例はあまり聞かないですが、このような可能性も秘めていると私は考えています。

なお、私はIT技術者なのでこの機会に生産性の向上ができるITソリューションの導入も積極的に考えていきたいです。

以前上記の記事も書いていますが、とりわけ今回のようなガバナンス強化を意識した場合、上記の記事の内容に加えて、以下のようなことを特に念頭に置いています。

理想はオートメーション

一番の理想はオートメーションです。機械が自動でやってくれれば人間特有のミスもありませんし、人は別の作業に集中することができます。

最近はMicrosoft PowerautomateなどのRPAの登場や、MicrosoftのAI BuilderのようなAIの利用でツール作成やAI導入のコストが低下したので、かなり実現可能性が高まりました。

自動化がダメなら監視による自動検知、通知を実装

オートメーションが難しい場合、次に考えるのが、人間の作業が必要なタイミング以外に人を配置する必要がないようにするために、監視による自動検知、担当者への通知機能の実装です。

自動検知・通知をするだけで、他の作業に集中できるのでぐっと生産性が上がります。

検索性向上、視認性向上、ユーザビリティ向上は最後の手段

検索性向上、視認性向上、ユーザビリティ向上は最後の手段です。正直のところヘタをすると悪手になることが多いです。

現場の今の業務でエースとして働いている人ほど、何らかの工夫を今の業務環境にしており、返って生産性が下がったというリスクも起こりかねません。

そのため前述のように現場の状況をしっかり把握しつつ、ユーザビリティテストなども慎重にやる必要がでてきます。その結果状況によってはITソリューションの導入断念も検討します。

終わりに

同じ業務をしている人にとっては当たり前の内容も多いと思いますが、何か気づきがあれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

Photo by Benjamin Child on Unsplash

 みやうデジタルラボ - にほんブログ村