株式投資初心者でも抑えておきたいファンダメンタル指標

株式投資 入門

この記事について

この記事では株式投資初心者が最低限抑えたいファンダメンタル指標をご紹介します。会社四季報や一般的な投資指南書が読めるようになることをゴールにしています。

今回紹介する指標

今回紹介する指標は以下の6つです。なお各ネット証券の口座を解説すれば四季報を買わなくてもサイト上で四季報のデータを無料で見られます。もしもネット証券口座を解説していましたら、お気に入りの企業の四季報情報を見ながら、下記6つの指標を見ていくと理解が深まると思います。

売上高と営業利益

説明するまでもないかもしれませんが、売上高とは、文字通り企業が一定期間にあげた売り上げ額です。営業利益は売り上げから経費を引いた利益の額を指します。

営業利益の赤字を出さず、売上高、営業利益が年々上昇している企業が理想です。それだけでなく、投資をするなら売り上げ高に対する営業利益の割合も注目したいところです。業界にもよりますが、同業他社に比べて営業利益の割合が高い企業は効率の良い経営をしているという判断材料になります。

キャッシュフロー

キャッシュフローは、現金の流れを指します。営業活動、投資活動、財務活動の3種類に分けます。

営業キャッシュフローは文字通り営業活動での売り上げの額が組み込まれます。健全な企業であれば本来ここはプラスになるはずです。

投資キャッシュフローは、設備投資などに使われた金額などが組み込まれます。成長しようと投資活動をたくさん行っている企業はここの値が大きなマイナスになります。

財務キャッシュフローは、銀行からの借入などの資金調達によってのお金の流れが加算されます。借金をしたりするとプラスになり、配当金を出すとマイナスになります。

分析ポイントの例として営業利益は黒字なのに営業キャッシュフローがマイナスになるケースがあります。例えば、建築業などは売買契約成立後、工事が完了するまで支払いを猶予されていたりすると、債権だけが加算され黒字になりますが、現金が実際は入っておらず経費のマイナスだけが発生してキャッシュフローがトータルマイナスになります。

例にあげたような説明がつくマイナスならまだ問題ないですが、ビジネスモデル上説明がつかず疑いがあるマイナスのキャッシュフローを出すような企業があった場合、粉飾決算などの疑いがあります。このような企業の株を買うのは控えたいです。

自己資本比率

自己資本比率は企業の資産のうち、借金などの返済が必要な資産を除いた資産がどのくらいの割合であるかを指す指標です。ビジネスモデルにもよりますが一般的に40%ほどあれば健全と言われています。

PER(株価収益率)

PER(株価収益率)とは、株価にたいして、1株あたりで得られる利益が何年で回収可能かを示す指標です。一般的に企業が営業活動によって得た利益は、配当で株主に配られるか、利益剰余金として、企業の営業活動の拡大用資金として使われます。仮に全ての利益が配当で得られる場合、何年かかれば株価分の利益を得られるかという指標になります。業界によりますが10-15が標準で、20以上になると割高です。また、10以下は不人気銘柄であると言えます。

2020年8月現在、超人気企業のAmazonにいたっては172という法外な値を示している一方、北海道電力のような不人気企業は5.22という低い指数を示しています。

もっとも、Amazonは割高すぎるから買うべきではないと即判断するのは早計で、Amazonが今後さらに営業利益を拡大するのであれば年々利益が増えるので必然的にPERも下がります。逆にPERは低くても、年々業績が悪化していれば、PERは年々上がることになり、利益を回収できないことになります。そのあたりを見極めて銘柄を購入することがポイントになります。

ここまでの3つの指標が倒産リスクのない安全な会社かどうかを調べる指標であるのに対して、PERは実際に株価上昇が見込めるかの売買判断をする指標となります。また初心者としては株価の割安・割高を分析するうえで特に利用しやすい指標でもあるので、PERを使った初心者向け銘柄分析という記事も書いてみました。よろしければこちらもご確認ください。

PBR(株価純資産倍率)

PBR(株価純資産倍率)は、もしも当該企業の総資産を総発行株式で分配した場合、株価の何%の利益を得られるかという指標です。1以上であれば割高、1以下であれば割安になります。1を切った場合、もしもその時点で会社を精算して解散する場合、購入額以上の分配金を得られます。PERと同様、株価の割高、割安をみる指標でありますが、もっとも会社の精算に立ち会う機会はほとんどないためPERの方がよく見られることが多いです。

ROE(自己資本利益率)・ROA(総資産利益率)

どちらも、会社の資産額にたいしてどれだけの利益をだしているかを計る指標です。%で計算します。一般に高い割合であればあるほど、効率的な経営をしているということになります。日本企業は比較的低い傾向があり、8%あれば優秀といわれていますが、米国企業だとそれ以上の高さがないと優良企業とは言い難いです。

終わりに

駆け足ですが、以上が最低限抑えたい財務指標でした。この他にも様々な指標がありますが、都度調べる程度で、上記6つさえ覚えておけば、四季報を見て分析できるようになったり、投資指南書を読んでも知らない用語だらけで苦労することも減ると思います。さらに勉強したい方は以下の書籍をおすすめします。

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この記事を通じて少しでもファンダメンタル分析による個別株投資に興味を持っていただけたら幸いです。

Photo by M. B. M. on Unsplash

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