高配当株投資の積立と純粋インデックス投資の積立どちらが高いパフォーマンスをだすのか検証してみた

投資 投資戦略を検証してみた

この記事について

ジェレミーシーゲル著「株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす」によると、高配当投資がS&P500の指数よりも高いパフォーマンスを出す可能性について言及されております。この記事では、ドルコスト平均法を用いたS&P500指数のインデックス投資と比較するとどのくらいパフォーマンスに違いがあるのか検証してみました。

今回検証に使うもの

「株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす」では厳密にはダウの配当上位10銘柄(こちらは通称ダウの犬という投資手法ですが...)、またはS&P500の配当上位10銘柄ですが、過去のリストを取得できませんでした。そのため、バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)で代用してみることにします。

S&P500については、このブログの検証でいつも使っているSPYを利用することにします。

それぞれの価格の推移は以下となっております。

クリックすると拡大できます

基準価格の推移

前掲のグラフでは比較できないので、2006年12月を100%として何%変化したかについてのグラフに直してみます。以下が修正したグラフです。

クリックすると拡大できます

パフォーマンス自体はSPYの方が高いようです。意外にもリーマンショックの時はSPYよりもVYMの方が低下しているようです。また、VYMとSPYの差は年々開いているようです。

積立投資のシミュレーション

それでは毎月$1000を積立投資した場合のシミュレーションをしてみます。

厳密には毎回配当収益に違いがありますが、今回SPYは1%、VYMは3%の配当を毎年出すということで仮定します。また、配当受け取りは12ヶ月に一度で、受け取った配当は翌月の買い付け価格にプラスして回すようにします。 またこれまでと同様本来はETFは端数購入ができますが今回は端数購入もできると仮定して検証します。

以下が2006年12月から2020年4月までのシミュレーション上の積立結果です。

クリックすると拡大できます

価格だけでは劣っているVYMがSPYに追いつきました。コロナショックでSPYが逆転しましたが、コロナショック前はVYMの方が若干パフォーマンスが上だったようです。

税金を考慮してみると

クリックすると拡大できます

念のため、VYMだけ配当取得時に10%の税金分を引いてみました。差し引いたものほとんど差は無いようです。

考察

以上を元に考察すると、直近14年だけのデータですが、高配当投資がS&P500の指数よりも高いパフォーマンスを出すということは言えないものの、同等の成果をだすことはできると言えそうです。コロナショックで落ち込んでいますが、コロナショック以降の回復を牽引しているのがハイテク株である事情を考えるとコロナショック後SPYが逆転しているのはVYMとS&P500ではハイテク株の割合がS&Pの方が高いことが原因かもしれません。

同等の成果が出せていることを考慮すると、リスクはあるものの資産の一部を純粋インデックス投資ではなく、高配当投資に回すというのは戦略の一つとしてありかもしれません。

おわりに

以上が今回の検証でした。今回も素人の分析ですが、参考にしていただければ幸いです。高配当投資に限らず、連続増配銘柄、小型株投資など、スマートベータ戦略は他にもあるので今後他の検証もした上で、記事を書いてみようと思います。

Photo by M. B. M. on Unsplash

 みやうデジタルラボ - にほんブログ村