日本書紀の入門に「日本書紀を知りたい」

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この記事について

この記事では以前、紹介しました「古事記を知りたい」の姉妹書である、「日本書紀を知りたい」についてご紹介します。

出会ったきっかけ

こちらもコンビニで見かけて買いました(笑)。「古事記を知りたい」が面白かったため、特に中身も確認せずほぼ即決で購入しました。

どんな本?

前半部分は「古事記を知りたい」と比較するような形で日本の神話が紹介されます。後半、神武天皇代から詳細なエピソードの解説になります。前回とほぼ同じ体裁で入門者向けに良い意味で大雑把(?)に漫画や写真を加えつつ解説しています。

感想

「古事記を知りたい」を意識して書かれたのか、「古事記を知りたい」と共通する部分は古事記との違いがメインで、あっさりしていました。この本は神武天皇代からのエピソードがメインとなります。

このあたりになると、日本史の授業でも習った内容がいろいろ出てくるものですが、全然飽きがありませんでした。むしろ、日本史で出てきた、聖徳太子、蘇我氏、天智天皇の意外な側面について知ることができて、新しいお話をたくさん知ることができました。特に、聖徳太子、蘇我氏について、コラムが記載されておりましたが、意外にも謎が多いということについて印象が残っています。

一方で、日本書紀は古事記と比較すると対外的な日本という国紹介の目的で作られたというお話を聞いていますが、この本を読む限りではあまりそういうイメージはありませんでした。確かに、ヤマトタケルのエピソードが自身の罪からの東国遠征でなかったり、マイルドになったところはあるようですが、それでも大物主神のエピソードのように「これ、他国向けにのせちゃうのか...」と思ってしまうようなお話もあったりします。

もう一点、学校の授業の記憶では、聖徳太子の時代から仏教というイメージがありますが、あまりこの本から知る日本書紀には仏教という色はあまり出てきません。引き続き日本神話がベースとなっており、あくまで仏教の登場も一つのエピソードというように捉えられています。

おわりに

古事記と違って、残念ながら縁がなく、原文はもちろんですが、その他の現代語訳本・解説書を私は持っていません。この記事を執筆するにあたって、再度読み直しましたが、あらためて、他の方の解説、原文だとどう記載されてるんだろうと気になる箇所があります。もし機会があれば、他の本も手にとってみようと思います。

こちらも出版が2013年とだいぶ古くなってしまった本ですが、「古事記を知りたい」と同様、今でも手元にあり、時々見返す一冊です。もしも、私と同じく歴史や、日本神話について興味があったり、その種の教養を持ちたいと考えている人でしたら入門書として非常に読みやすいので手に取ってみる候補として入れて良い一冊だと思っております。

この本の紹介でちょっとでも日本神話や古代史に興味を持っていただけた方がいれば幸いです。

Photo by Daria Nepriakhina on Unsplash

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