この記事について
以前こちらの記事にて、とりあえず投資をしたいという方には、個別株投資をするなら他の本と記載しました。その際にも少し触れた奥山月仁さん著の「世界一やさしい株の本 (中経出版)」についてご紹介したいと思います。
出会ったきっかけ
実は、著者の奥山さんの次著“普通の人”だから勝てる エナフン流株式投資の方を先に読みました。先にこちらを読みとても勉強になったことから、著者のブログも購読するようになりました。こちらのブログで、前著として今回紹介する本が記載されていたのが読むきっかけでした。
どんな本
架空の登場人物エナフンさんが、娘さんの結婚式の資金繰りのために、育てている梨の木を売るというお話がベースとなります。お話の中で梨の木を売るにあたって、株式のように時価総額で考えることになり、会社の経営的な考え方、経営の影響によって出される財務報告がどのように梨の木の価格(=株価)が影響されるのかを登場人物と一緒に考えながら学んできます。個別株投資で銘柄分析でよく使うPER,PBR,ROEといった用語や計算式もところどころで解説があり、梨の木の売却額を考えながら銘柄分析を覚えていくというコンセプトの本です。
感想
初心者向けの本でとにかく読みやすかったです。あっという間に読み終わりました。ただ、この本を読む前からPER,PBR,ROEといった用語は知っていたのですが、それぞれの関係性、会社の決算でどのように動くのかについてぼんやりとした理解だったのがより深い理解になりました。
個別株入門にこの本をお勧めしたい理由
私自身いくつか初心者向けの本を読みましたが、PER,PBR,ROEといった基本的な指標を解説している本はたくさんあるのですが、ここまで気楽に読めて、すんなり考えが入る本はまだ出会ってないです。個別株というと短期トレードを除くと、長期投資の戦略は細かい枝分かれはあれど、ほぼグロース投資(※1)やバリュー投資(※2)の戦略をとるかと思います。どちらの戦略をとるにしてもファンダメンタル分析(※3)ができるようになることが重要になります。ファンダメンタル分析を丁寧に擬似体験しながら簡単に覚えられる本は私が知るかぎり、この本しかないと思っています。
(※1)グロース投資:今後成長が見込める会社に投資をして利益を得る戦略。
(※2)バリュー投資:潜在的な会社の価値よりも割安の評価の株価をつけている会社に対して投資を行い、潜在的な価値が表面化して、株価に反映されることで利益を得ようとする戦略。人により、グロース投資とバリュー投資は真逆の考えという人もいれば、株式投資の神様ウォーレンバフェットのように、相反しない両立しうる戦略であると考える人もいます。
(※3)ファンダメンタル分析:会社の会計報告、経営状況など財務的な報告書を元に分析を行って株式の売買を決める手法。対照的なものとして、チャートの動きから株の売買のタイミングを決めるテクニカル分析があります。
終わりに
この本を読んで、個別株投資に興味を持った方は是非、著者の続冊の“普通の人”だから勝てる エナフン流株式投資も読んでいただきたいです。こちらについても、そのうち紹介記事を描こうと思います。
Photo by Jessica Ruscello on Unsplash