この記事について
知人より投資の面白さ、魅力について説明してほしいという声をいただきました。言葉をうけてこの記事では投資、もとより証券取引の魅力についてまとめてみました。
魅力をまとめる前に
一口に証券取引と言っても様々な種類があります。そのため、まず分類について説明させていただきます。
主に時間軸を第分類としてこんな分類になるかと思います。
時間軸 | 主な投資対象・投資手法 | |
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トレード | 商品の売買期間が半年以内のもの |
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中期投資 | 商品の保有を半年~5年程度の期間のもの |
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長期投資 | 5年以上(状況によっては永久の)の保有を想定しているもの |
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この分類はあくまで本記事開設のための便宜上の分類です。人によって半年以上を長期投資といったりする方もいますのでご注意ください。
なお、短期投資という言葉は避けました。ここまで短い期間だと投資というより投機であること、日本だと投機という言葉にあまり良い印象がないことからトレードと分類させていただきました。
あわせまして、私自身は、長期投資がメインです。またトレードに関しては、ちょっとしたものを除くとほとんど経験がないです。そのため、一般論的なことしか語れません。その前提でいただけると幸いです。
トレードは商売
魅力としては商売の基本である「安く仕入れて高く売る」であると思います。 その点で、証券取引の中では最も商売人としてのスキルが試されるジャンルかもしれません。他のビジネスと同様、経済の動向、購入予定商品の性質、これからの展望などを読む必要があります。証券取引ではこのようなことがしやすいように、単なる売買だけではなく先物・オプションといった様々な販売手法が解放されています。先物・オプチョンは実物の売買ではなく将来の売買の予約する権利を取引します。例えば、とある証券を3ヶ月後にXXXX円で買う約束をします。このときに、3ヶ月後にXXXX円よりも高くなっていれば、購入後売却することで利益を得ることができます。
商売をする場合、元手となる資金調達が必要になります。証券取引においても、必要に応じて資金調達のために借金をすることもできます。証券取引には信用取引という制度があります。例えば株式であれば、証拠金とされる担保資金の3倍、つまり2倍分のお金を借り入れることができます。
証券取引は、ネット証券に加入するだけで市場がすでに解放されています。マーケティング・宣伝などもする必要はありません。ある意味、オンラインショップを開設したりするよりも手軽に商売ができる場と言えるかもしれません。
中期投資は農業
中期投資は例えるなら、農業です。野菜を育てて収穫し、販売するようなものです。特に株式投資においてその傾向が強くあります。
例えば成長株投資であれば、今後大きな成長をすると期待できる株を購入し、育つのを待ちます。状況によっては株主として株主総会に出るなどして企業に大して自分が育ってほしい姿を求めることもできます。十分に成長し、株価が上がったら収穫です。株式を売って利益を得ます。
成長株投資の逆と言われる、バリュー投資も同様です。バリュー投資とは株価と企業そのものの資産価値を比較し、企業価値に対して株価が安いと判断できる株を購入し、株価が企業価値に追いついていくのを待って売却する投資手法です。こちらについては、状況によっては業績悪化などにより苦境にさらされている企業に対して、苦境を乗り越えた先には利益があると信じて、戻るのを待って売却するのを待ちます。
長期投資は金の卵を産む鶏の飼育
ここまでのトレード・中期投資は購入した証券を売ることが前提のものでした。しかし、長期投資は売ることを前提としていません。例えるなら金の卵を産む鶏を飼育することとも言えます。
株式投資における長期投資の実践者として最も有名な人物は世界一の投資家の1人と知られるウォーレンバフェットです。バフェット氏は長期的に保有が可能な会社を好み、半永久的に保有し続ける方針を持ちます。完全売却をするときは、そもそもの企業分析の誤りであったり、その企業が本来持ち合わせていた魅力が失ったときに限られます。成長株投資のような、一定のタイミングで株価が上がったタイミングで売却する投資手法は「咲いている花をむしりとり、雑草に水をやること」(※1)と比喩しています。
(※1)「咲いている花をむしりとり、雑草に水をやること」;この言葉自体はバフェットではなくピーターリンチの言葉。ピーターリンチも世界的に有名な投資家の1人で、自身の著「ピーターリンチの株で勝つ」で掲載していた。バフェットはこの言葉を気に入り、自身がCEOを務めるバークシャーハサウェイの年次報告書に引用しました。(参考)
個別株投資とは対極的なインデックス投資も同様です。インデックス投資の場合は、企業ではなく、市場全体の成長を信じて、市場指数に投資します。そして市場全体の成長の恩恵を通じて利益を得ます。インデックス投資は、手軽にできることからつまらない投資と言われる側面もありますが、必ずしもそうではない側面があります。
実際には、どの指数を追うか調べるために、シミュレーションを行ったり、リスクヘッジのために資産を分散したり、良いメンテナンスをするために考えるべきことはたくさんあります。シミュレーション系ゲームが好きな人にとってはむしろインデックス投資の方が個別株投資より面白いと思うかもしれません。
最後に、債券も長期投資の一種といえます。近年では、債券トレードというものもありますが、債券は本来的には、企業や国の運営のためにお金を貸して、貸したお金の分の金利をもらうものです。インデックス投資や個別株と同様、自分が信じた投資対象にお金を貸して最後まで貸付先とつきあって利益を得るものです。
番外:社会貢献としての投資
最後に番外として社会貢献としての投資を紹介します。近年では、ソーシャルレンディングというサービスが増えています。ソーシャルレンディングは一種の金融サービスで、利用者は自分が出資したい事業にお金を貸し出し、金利などを通じて利益を得ます。投資先自体は様々なものがありますが、中には発展途上国の電気設置などにお金を貸し出すこともできます。一般的な証券取引では先進国・新興国には投資できますが、発展途上国には投資することができません。しかし、ソーシャルレンディングなら発展途上国にも投資することができます。
もっとも、発展途上国故に普通の投資以上に元本割れリスクは高いです。それ故に大きな利益を得たいという気持ちで投資するのは危険です。損するリスクが高いという覚悟があっても、困っている人や世界全体の発展のためにも投資したいという気持ちのある人は選択肢にいれてもいいかもしれません。私自身もCROWD CREDITというサービスで損してもよい小額規模で発展途上国への投資をしています。
このような視点を持つと、募金も見返りが世界の発展、困っている人への援助という点で究極的な投資かもしれません。私自身はそのような考えを持っており、Yahoo!ネット募金でも同様に小額ながら定額募金をしています。
おわりに
簡単ですが以上が私自身が思う証券取引、投資の魅力でした。この記事を読んで少しでも投資に興味を持っていただける方がいましたら幸いです。
Photo by M. B. M. on Unsplash
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