最近売った銘柄、これまでに失敗した投資銘柄を紹介します(2020/09)

投資 個別株

この記事について

先月に引き続き2020年9月時点で個人的に気になり、調査した企業銘柄をまとめてみます。今月は最近売却した銘柄と過去に失敗した銘柄を紹介します。

注意

投資戦略は私の個別株投資戦略を元にしています。特定銘柄への売買推奨をするものではありません。自分自身の企業分析スキル向上のための投資ノートでもあります。自分自身も後々の調査を通じて、記載の見直し、修正を想定しているため、間違いも多くある想定です。その前提で読んでいただけると幸いです。

今月の気になる企業一覧

最近売った銘柄を3つ、過去に失敗した銘柄2つを紹介します。

最近売却した銘柄3つのうち2つは、企業の想定成長ストーリーよりも株価が上がりすぎてしまったため、もう1つは私が想定していた事業戦略と異なってしまったためです。どちらも利益が出た状態での売却ですが、私個人は長期的な成長に期待して投資しているため、例外的な判断です。長期的な目線でみると持ち続けることができなかったという点でやや残念な気持ちでもあります。

カドカワ

最近売却した株です。想定よりも株価が上がりすぎたことが要因です

投資していた理由

出版の角川、ニコニコ動画のドワンゴなどを運営している会社です。ディズニーのミッキーマウス、バンダイのガンダム、任天堂のマリオ、集英社・東映のドラゴンボールのような絶対的なIPを持っているわけではありませんが、エンタメ系IPの創作に力を入れています。ニコニコ動画も全盛期ほどの力はないものの、IP育成、クリエイター育成PFとしての位置付け、力を入れている点で戦略が一貫しており、全体的なビジネスモデルにも好感を持っていました。

この手のゲーム・漫画・アニメなどのエンタメ作品は一発屋気質の多い性質があります。その点競合に比べ、挑戦回数の多さで競合優位性をもっているとも感じました。

挑戦的ではあるもののやや企業活動としては不器用なところがあり、財務体質は悪くはないものの、たまに赤字決算をだしたりしている点で不人気銘柄ではありました。それでも私自身は企業姿勢や将来性に好感をもっており、2019年1月ころから少しずつ買いためていました。

売却を判断した理由

コロナによる日銀の金融緩和政策の影響に加え、韓国のカカオが購入を始めているというニュースがでたことで、2800円まで上がりました。

私個人としては、2800円という価格は、企業としての実力値としてはさすがに上がりすぎている印象を持っており、いったん利益確定として売却をしました。平均1300円台で持っていたため約210%の利益を得ました。

利確はしたものの本当は長期保有したかったという気持ちがあるため、引き続きウォッチしています。カカオ社の動向、金融緩和による相場の動き、秋の決算発表次第のところもありますが、もしも上がりすぎているという見立てを裏切る動きがありましたら、売却判断は失敗と判断して再度購入も検討しています。

弁護士ドットコム

こちらも最近売却した株で、想定よりも株価が上がりすぎたことが要因です

投資していた理由

弁護士事務所などの紹介サイト、弁護士ドットコムを運営する会社です。私が法学部出身であったこともあり業界動向の調査はしやすく、未開拓の日本の司法領域のITビジネスを開拓しているという点、創業者が弁護士であり、うまくネットワーク力を生かしてサービスを成長させているという強みから、魅力を持ち2018年4月ころに1700円台で購入しました。

その後、クラウド契約などリーガルテック領域にも着手し、一時広告費用がかさばってしまったことで大きく株価を下げましたが、柱となる事業の安定感に期待をもっていることから保持し続けていました。

売却を決めた理由

コロナウィルス感染拡大を受けて、同社が推進する脱紙の契約書、脱ハンコの動きへの期待感がますます上がってしまい、8月時点で11300円台にまであがってしまったことが売却の理由です。

正直のところ上がりすぎと思っています。現在PERがinvesting.comのレポートで1615となっているのはさすがに異常と思います。加えて、この企業に対する世間的な期待が柱となる弁護士向けの支援ビジネスよりは、新規開拓中であるオンライン契約などのリーガルテック領域という点ついても疑問があります。これらは新規開拓領域であることに加え、リーガルテック領域はセキュリティなどある程度の技術力も求められるため、他ITサービスが技術力で勝負してきた場合、同社がどこまで戦えるかという不安があるからです。

結果として10倍株に至らなかったものの6倍株です。儲けはでましたが、ここもカドカワと同様、順当な成長であったならば長期で持ちたかったので残念な気持ちもあります。

UUUM

最近売却した株です。こちらは上がりすぎではなく、思い描いていたストーリーとずれたことが要因です。

投資していた理由

ヒカキンをはじめとするYouTuberのマネジメント事務所のUUUMです。YouTuberなど新しく登場したクリエイターの支援をメインの事業としています。上場から半年後2018年4月ころ、PERが80~100とやや高めでしたが、新しいビジネス領域の開拓を行っていること、ヒカキン筆頭に有名YouTuberが所属しているなどのブランド的な強みを持っていたことから1600円台(のちに株式分割があるので当時でいうと4800円台)で株式を購入しました。

実はお恥ずかしながら購入当時は本当の素人で、それほど企業分析をせず買っていました。しかしながらだんだんと企業分析を勉強するようになってからは、着々と売り上げと利益を向上させるファンダメンタル面の良さ、当時流行したVTuberを取り込むなど、新しいクリエイターの開拓ビジネスを進める事業戦略に魅力を感じており、当初描いた成長ストーリー通りに発展していきました。株価も順当で一時期5800円台と3倍株となっていました。

2019年末頃からYouTuberの大量退所などの問題が発生し、2000円台まで落ちてしまいましたが、個人的にはそれでも新しいクリエイターの開拓ビジネスを続けていれば問題ないという成長ストーリーがあったため、売却は検討しませんでした。

売却を決めた理由

吉本との業務提携開始のニュースがあったことが私にとっての売却検討の転機でした。新しいクリエイターの開拓ビジネスという路線とはややはずれてしまった気がしています。今後の展開がそちらの方向に向かうとなると、私の組み立てていたストーリーとは違うものです。しばらく調査などを行いましたが、どうしても今後も持ち続ける自信がなく、発表から2か月たった8月のタイミングで2300円で売りました。

約43%ほどの利益獲得です。私自身はファンダメンタル重視の長期投資家という自負があるので最も高いタイミングで売却を逃したことに後悔はないですが、想定していた路線とずれてしまったことは残念です。なお、投資対象としては外れてしまったもののUUUMという会社そのものは好感を持っているのでこの企業も引き続き動向をウォッチしています。もしも、再度元の路線に戻したときのファンダメンタル、競合優位性などを比較したときに再投資の検討はあるかもしれません。

パーソルホールディングス

ここからは過去に失敗した銘柄を紹介します。まずはテンプスタッフなどのブランドでしられる人材系ビジネスの企業パーソルホールディングスです。

投資対象とした理由

四季報を見て業績がなんとなくよさそうだったこと、2018年初頭の株の雑誌でお勧め銘柄に選ばれていたから、という2つの理由だけで購入してしまいました。株式投資を始めて本当に未熟だったころ故に、本当にこれだけの理由で判断してしまいました。

売却した理由

当時はビジネスモデル含め何にも知らずに選んでいました。のちに人材系業界は景気好調気に高い業績を出す一方、景気が後退すると極端に業績が悪くなるという性質ということを知ったり、そもそも自分自身の生活環境が人材系業界の情報を集めにくい立ち位置にいるということを知ります。私の知識量、生活環境では情報を集めにくく、長期保有は難しいという決断をして売却しました。

購入タイミングも悪く、2018年当初の最も高い時期に高値づかみをしてしまい、その後ずっと右肩下がりをつづけています。今は半分ほどに下がっています。幸い早めに損切りすることができましたがそれでも30%ほど損しました。

雑誌に掲載されていた以上、長期的には株価のV字回復をする可能性もあるとは思いますが、少なくとも私自身は人材業界には遠いところに身を置いているため情報を多く得られないと考えています。私には縁のない銘柄として今後も投資対象として検討することはないと思います。前述の売った3企業と違い、売却後のウォッチもしていません。

IGポート

「進撃の巨人」などアニメ制作をしている会社です。こちらも失敗した銘柄です。

投資した理由

こちらも1800円台、「魔法使いの嫁」ヒットによる一時的な爆増がひと段落したタイミングで購入しました。購入理由としては、「進撃の巨人」のアニメも作ってるし、また大ヒットがあれば企業の業績、株価ともに成長していくだろうという見立てのもとでした。

売却を判断した理由

企業分析が甘すぎたことが一番の理由です。株の購入後、「魔法使いの嫁」に大ヒットによる一時的な株価上昇の理由は、アニメ制作会社であるという点ではなく、漫画出版としてのIPもIGポートが所有しているという重要な点を見落としていることに気付きます。

IGポートには前述のカドカワのような力強いIP創出投資をしているわけでもなく、まだまだ「魔法使いの嫁」の一発屋という気配をぬぐい切れませんでした。そのため、持ち続ける自信がなく、1500円台にまで落ちたタイミングで売却しました。

メディアエンタメ領域ということで、パーソルホールディングスと違い引き続き企業動向はウォッチしていますが、まだまだ私の調査では再投資対象としては決定できない銘柄で止まっています。

終わりに

以上です。今回は私の実際の売買判断例を紹介しました。まだまだ失敗した銘柄はあるのですが、また次回のタイミングでご紹介できればと思います。少しでも読んでいただいた方にとって有益となれれば幸いです。

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