世界経済の過去の歴史と反省を知る「ウォール街のランダムウォーカー」

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この記事について

この記事では、バートン・マルキール 著の「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理」をご紹介します。

なお、現在第12版がでておりますが、私自身は第11版を読んでおり、主に11版の感想となります。

出会ったきっかけ

以前記事として紹介した「お金は寝かせて増やしなさい」の中で紹介されていたのがこの本を読むきっかけでした。こちらの本でインデックス投資がおもしろそうと思い、さらに深い知識が知りたいと思いこちらを購入しました。

どんな本?

株式市場の歴史、各種投資戦略など、投資にまつわる様々なテーマで著者の分析が述べられています。これらの分析を通じて最終的にインデックス投資の確実性、有用性について述べていきます。

感想

読む前は単なるインデックス投資の指南書というイメージでした。しかし、実際は時間軸、人の軸、戦略の軸など、様々な視点で著者が投資について分析する投資の総合書でした。

時間の軸で例えると、イギリスの南海泡沫事件、第二次大戦前の世界恐慌など、各種バブルの原因と反省、バブルまでいかなかったものの各年代で人気となった投資戦略の発展と衰退について述べており、下手な戦略をとって市場平均に勝とうとしてもなかなか勝てないことについて分析されております。(※私自身は第12版を持っていませんが、第12版では仮想通貨バブルについても分析されているようです。)特に印象的だったのが、過去の版で著者自身が考案していた「マルキール・ステップ」という投資戦略が、本を出したために人気が出て全体的な商品の価値指数が暴騰してしまったために新規参入が難しくなってしまったことです。著者自身も何か策はないかと研究しているにもかかわらず、インデックス投資よりも確実なものが見つからないということを物語っています。

ここまで述べたように、この本はインデックス投資をベストなものとして積極的に推奨するよりは、どちらかというと他の戦略もうまくいかないから結局はインデックス投資の選択肢になるという論法を用いています。

この本を初めて読んだ頃は、まだそんなに投資や経済について勉強しきれておらず、何か抜け道はあるのではないかという期待を持っていました。同時並行で、ピーターリンチやウォーレンバフェットの他投資戦略本などを読んでおりなおさら半身半疑なところがありました。しかしながら、他投資戦略本を読んだり、自分自身の投資経験を重ねると、インデックス投資以外の投資が、「市場に絶対勝てないとまでは言えないものの、相当な努力を要する」ということを痛感してきました。

ある程度投資経験を積んでからこの本を読むと、安易な戦略の落とし穴が語られており、なぜ初めて読んだときにスルーしてしまったんだろうというような発見がありました。インデックス投資を志す志さないにかかわらず、自己の投資戦略を見直す上でのバイブルと言えるかもしれません。

おわりに

インデックス投資関係だと、私自身のおすすめとしてはもう2冊、ジェレミーシーゲル著の株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらすも読んでみることをお勧めします。

どちらも分厚いものですが、ウォール街のランダムウォーカーが読めるレベルの方でしたら面白い本であると思いますので是非手にとっていただきたいと思います。両者の本を読み終えた後それぞれを比較してみると新しい発見がえられると思います。

Photo by Austin Distel on Unsplash

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