インデックス投資の対象投資商品について検討してみる

投資 投資戦略を検証してみた

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インデックス投資における戦略についてあらためて再考してみる」で実施した検討要素の一つである、インデックス商品の対象となりうる投資商品について検討してみます。

様々な商品がありますが、今回は代表的な株式、債券、REIT、金だけにフォーカスしてみようと思います。

各種金融商品の基本性質についておさらい

まず、各種金融商品の基本性質についておさらいしようと思います。

株式

株式は企業に出資することです。株式そのものの価値の向上や出資したことによって得られる配当を元に利益を得ます。様々な本が出ていますが、もしもリスクを許容できるのであれば最も資産価値の上昇が見込める商品であると言われています。また、債券と違い企業の価値であるので短期的にはダメージを受けるものの、長期的にはインフレーションにも強いのも特徴です。

一方で、今回あげる中ではリスクが高い部類にあることが弱点であり、リーマンショッククラスのものが発生すると一時的に半分以下の勝ちになってしまうリスクも存在します。もっとも、個別株こそ倒産はあれど、指数ベースで投資しており、長期的な目線で見れば価値が戻らなかった株式指数はないと言われています。

債券

債券は国や企業にお金を貸して、貸した額分の定められた利率を利益としてもらう金融商品です。一般的に株式と比較して価格帯が安定しており、暴落に強い傾向があります。一方で、お金を貸すだけという性質のため、株式のように企業の業績成長に応じたパフォーマンス成長というものがなく、当初定めた利回り以上のパフォーマンスを出すことは難しい状況です。またインフレにも弱く、一応は利益がでるものの、利回り以上のインフレが起きてしまうと、現金保持ほどではないにしても結果的に損を出す可能性もあります。また、今日、低金利が続いており、あまり高い利回りは期待できないという欠点もあります。

なお、ここまで述べた性質は有料企業、先進国の債券を購入した場合です。いわゆるハイイールド債、新興国の債券は利回りが高いものの、企業そのものの倒産、新興国のインフレの影響を受けるリスクが非常に高く、結果として損をしてしまう可能性もとても高いです。

REIT

REITは「Real Estate Investment Trust」の略です。住宅、商業ビル、ホテルなど様々な不動産に投資し、不動産が出した利益を配当として得ます。また価格は主に不動産そのものの価値に連動します。

今回とりあげた金融商品の中では比較的高めの配当利回りを出すのが特徴です。一方で、数々の不動産バブルの歴史が物語るように価格の上下差が激しい割りに、株価ほどのパフォーマンスが出せない特徴もあります。特に、暴落時には株価以上に下がるケースもあるのでリスクは高めであると言えます。

金は守りの資産と言われております。今回取り上げた中で唯一、この商品それ自体では配当などの利益を生み出すことはありません。しかしながら、各国の通過の裏付けなどにも使われている通り、絶対に価値がなくならないものと言われております。

一般的に金融危機が発生した時に、株価などとは反対に価値が上がる一方、それ以外の局面では物価変動の影響をベースに価値が変動するものと言えます。

データを元に検討してみる

ここまでは基本性質をおさらいしたので、実際に過去のデータを元にして分析してみようと思います。今回は、ドル建てでかつ、比較的長い歴史を持つETFである以下5つのETFを利用して分析しました。

  • SPY(株式:米国S&P500)
  • IYR(REIT:米国不動産)
  • AGG(債券:米国総合債券市場)
  • GLD(金)

それぞれの過去の基本価格変動は以下の通りです。

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まずこのままだと比較しづらいので2004年12月を基準としてそこからの変化率でみてみます。

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まず特徴として金の高いパフォーマンスが目につきます。意外にも王道と言われる株式については金に続くパフォーマンスしか出せていません。

一方で、債券に関しては最近価格が急上昇しているものの、ほぼ価格が変化していません。また、REITも、債券よりは変化しているものの、金や株価ほど変化していません。また、リーマンショックの時は株価以上に暴落しているということがみて取れます。

続いて、毎月$10000各資産を購入した場合の積立投資の結果について検討してみます。なお毎年、株式1%、債券2%、REIT3%の配当をもらえると仮定しており、毎回12ヶ月目に配当を取得し、次の月は$10000+配当で資産を購入するとみなします。

結果は以下のグラフでした。

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2008年にリーマンショックが発生したためか、金が2012年まで最もたかいパフォーマンスを示していました。とはいえ途中で株式とREITが金を抜いています。また、REITについてはコロナショックの影響を受けて2020年頃より金にまた2位の座を奪われています。

一方債券は他の3商品と違い、高いパフォーマンスは見せていません。しかしながら、ボラティリティの低さを生かして大幅な下落もまた発生していない安定感が伺われます。

株と金についてさらに長期的なデータでみてみる

さきほどの15年ほどのデータだと株式に次いで金が高いパフォーマンスをだしていることがわかりました。加えて、時期によっては株式以上のパフォーマンスをだしています。定説と違うためこの傾向は一時的なのか、再度検証が必要と思われます。そのため、もう少し長期的なデータをみてみます。

残念ながら、これ以上の長期的なETFは存在しないためS&P500と金先物で比較してみました。1979年を基準としてそれぞれの価格変化を追ってみました。

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こちらをみると株価のほうがやはり最終的なパフォーマンスは高いようです。しかしながら金も株式と比較すれば低いボラティリティで確実に上昇推移しているということが伺われます。

考察

以上をもとに考察してみます。

やはり、株式がもっとも高いパフォーマンスを出しているようです。しかしながら、REITも配当の高さを強みにして株式には劣るものの高いパフォーマンスを出せるようです。

一方で債券は株式やREITほどの高いパフォーマンスは出せません。しかしながら、低いボラティリティを生かして安定的に資産を成長させることができると言えます。

最後に金については、今回検証したなかでは特筆的な結果だったかと思われます。配当を全く出しませんでしたが、暴落の時に伸びる性質や、物であるということでインフレにあわせて成長する性質が影響したのか、守りの資産と言われる性質にもかかわらず(?)、最終的には株式に次ぐパフォーマンスをだしています。また、資産の価値変動もやや高めです。もっとも、検証した15年はリーマンショック、コロナショックなど金価格高騰しやすい状況であったことと、株価ほどは高いパフォーマンスは出せなかったこと、50年以上の長期的にみると株式には価格ではやはり劣ってしまうことを考慮するとメインの資産としてはしづらいかもしれません。

番外:レバレッジ商品は?

最後に参考としてレバレッジについて触れてみます。レバレッジ商品とは、商品のマザーファンドが購入者から受け取った資産を元手に信用取引という制度でお金を借り入れます。例えば3倍のレバレッジをかける場合、3倍であるので、購入資金の2倍分、つまり資産合計3倍になるように借り入れます。借り入れた資産で当該指数に連動するように銘柄を購入します。借り入れをしている都合上、上昇すれば本来の上昇分に加えて、借り入れた分の上昇分も加えられるので3倍分利益をもらえますが、逆に下降したら本来の下降分に加えて借り入れした分の下降分も加算されて3倍分損失をだします。もしも、株価が半分になった場合、3倍150%の損失となり、理論上マイナスとなってしまいます。ここは追証という仕組みのおかげで、保険がかけられておりますが、それでもマザーファンドの倒産というリスクは普通のファンドよりもあります。

なおレバレッジとはてこの意味で、一般に証券取引において、借金はてこ入れという意味合いで使われるためレバレッジという用語が用いられます。

レバレッジ商品は借入をする故に信託報酬が高めであること、指数と最終的には解離が発生するなどの理由から、レバレッジ商品については従来インデックス投資をはじめとする積立投資には合わないといわれていました。

しかしながら、近年「グローバル3倍3分法ファンド」のようなレバレッジ商品も登場しています。

3倍のレバレッジをかけるものの、安定資産としての債券の比率を高めにすることで、安全性を保ち、運用するという方針のようです。

今回は詳細は触れませんが、出たばかりの商品のため様子見なところがありますが、基本は株式・債券・REITの性質をよく理解しつつ、3倍のレバレッジをかけているということを重点にみた方がよさそうです。

おわりに

以上が各種商品の調査分析結果でした。もっとも、商品選定については、世界各国のうちどの指数を選べば良いのか、実際の割合はどのようにすれば良いのかといった疑問点があります。また別の機会でそちらを検証してみようと思います。

以上が私なりの各種投資商品に関する調査のまとめでした。あくまで素人の分析であり、見落としや甘い部分もあり、この結果を元にすれば絶対投資が成功するとは限りませんが、参考にしていただければ幸いです。

参考文献

Photo by Markus Spiske on Unsplash

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